編集長が行く!

下田編集長× L’Atelierさん #02

「あの人に会いたい!直接お話を聞きたい!」
TANOKURA100人展やフリーマガジンTANOKURAを運営するSeedersの下田編集長が、いま会いたいと思う人にお話を聞きに行きました。

今回お会いしたのは、TANOKURA vol.27に掲載されている企画「TOP20ARTIST」に選ばれたL’Atelierさん。
貝を使ってアクセサリーを製作されています。前回に引き続き、L’Atelierさんとその夫であり一緒に作家活動をしている「職人」さんに、貝に対する思いについて伺いました。

▼素敵な人に、会いにいってみました
TANOKURA × L’Atelier
#01 こだわって作る「L’Atelier品質」
#02 貝の美しさを広めるために

◆L’AtelierさんInstagram
https://www.instagram.com/latelier__s/

貝の美しさを広めるために

編集長:L’Atelierさんは、本当にたくさんの作品を作られていますよね。最初の作品ってどんなものだったのですか?

L’Atelierさん:1個目は、貝に色をのせていました。

L’Atelierさん:初めのころはとにかく時間がかかったので、工程も少なくなるよう、丸や三角のような単純な形で作っていました。この最初の作品は、今も現役で私が使っているんです。

編集長:そうなんだ!L’Atelierとしてのスタートがここなんですね。作り始めてからどれくらいで販売を始めたのですか?

L’Atelierさん:半年くらいでオンラインショップに出品しました。ありがたいことにそこでご好評をいただいたので、そろそろイベントに出てみようかと考えて、100人展に出展したんです。

編集長:現在も、オンラインでの販売はされていますか?

L’Atelierさん:オンラインショップでの販売もできるとは思うんですけど、どうしても難しい部分があるのでやっていないんです。

職人さん:色や模様の出方が一つひとつ違うので、デザインとしての形だけを見て選ぶのではなく実際に見比べて買ってほしいと思っています。それが、オンラインだとなかなか難しいですね。

編集長:実際に目で見てみないとわからない魅力も、お二人の作品にはたくさん込められていますよね。

L’Atelierさん:自分たちが貝の個性に寄り添って作っているからこそ、デザインは同じでも色や柄、輝き方がそれぞれ違うものになってしまう。それを一つひとつ目で見ていただくことができないと、私たちのこだわりが伝わらないと思うんです。

編集長:オンラインでは、L’Atelierさんたちのこだわっている部分を伝えるのは難しいのですね。やっぱり、できるだけ手に取って見てほしいということですね。

L’Atelierさん:実際に手に取ってもらいたいですね。100人展でも、常連のお客様は貝に個性があることをわかっていらっしゃるから、このデザインで違う貝のものはある?というふうに聞いてくれるんです。そうして2つを見比べて、私はこっちの貝がいい!と選んでもらえると、すごくうれしくなります。

L’Atelierさん:例えばこの象。どちらも色が違うんです。

編集長:本当だ!これは好みですよね。そのとき使用する貝によって、色味もこんなに変わるのですね。

編集長:これから作ってみたいと思うデザインはありますか?

L’Atelierさん:身近なものとか、誰かにとって思い入れの強いものを作っていきたいですね。例えばミシンやトルソーは、布作家さんに喜んでいただけます。そこでいくと、今はレトロカーを作ってみたいです。自分の車の形が好きな方は好まれるのかなと思います。

職人さん:市場に同じ形がたくさん流通しているものよりは、個性的なデザインの方が面白いと考えています。

L’Atelierさん:流行りの真ん中ではないからこそ、長くお使いいただけてるのかな。

編集長:飽きない存在感が良いですよね。貝の艶やかさを前面に表現している作品が、やっぱり素敵だなと感じます。

L’Atelierさん:あとは、身に着け方の提案もしていきたいです。エリザベス女王は、身に着けるブローチでメッセージを伝えるといいますよね。なので、今日は私もカメラとペンで「取材」を表現してみました。組み合わせに意味を込めたり、その日に会うお相手によってつけるブローチを選んだりするのも、話題のきっかけにもなるので良いなと思います。

編集長:組み合わせの提案も素敵だと思います。身に着けるコーディネートの幅が広がって、おもしろいですよね。

編集長:貝の美しさを伝えたいという思いが強いのだと思うのですが、今後の目標にはどのようなものがありますか?

職人さん:状況が許せば、個展を開きたいです。もっと多くの人に貝の良さを知ってもらいたいという気持ちがあります。あとは、置いていただけるお店を増やしたいねという話をしていますね。

L’Atelierさん:お子さんがいたりすると皆さんそうだと思うのですが、私たちもイベントを活動の主軸にはなかなかできなくて。作品数もそれほど数は作れないですし、そうすると店舗に置いていただくというのが一番良いかなと考えています。

編集長:お二人の作品に合うような、ギャラリーとか画廊があるといいですよね。

編集長:今まで続けてきて、もうやめようと思ったことはありませんか?

L’Atelierさん:あります、何度も!けんかしてまで続けることかなって二人で話したことも。あとは、彼の細かさに、辞めちゃうからね!と思うこともあります(笑) それでも、私自身貝が大好きになっているから、みんなにもっと良さを知って欲しいという気持ちで続いていますね。

編集長:なるほど。もっとみんなに美しさを見てもらいたいのですね。L’Atelierとしての一番の夢はなんですか?

L’Atelierさん:貝と言われたときに、砂浜に落ちている白い貝殻ではなくて、作品に使っているような真珠層を思い浮かべてもらえるようにしたいです。

編集長:お二人の作った作品を、というよりも、素材そのものの美しさが根底にはあるのですね。ご主人はもともと少年のころから興味があってとおっしゃっていたけれど、今はお二人とも魅せられていますよね。

L’Atelierさん:そうですね。削ってみて色を見たときに、今回は色がいいねとか、光が強いねとか言い合って、一緒に喜んでいます。

編集長:自然のものに感動できる心がないとできないことですね。作品作りの大変な工程を全て自分たちの力でやれているのは、一番は貝に魅せられているからだと思います。きっと貝の光を伝えたいんですよね。

L’Atelierさん:そうです。屋外のイベントに初めて出たときに、日向に出て光に当ててみてくださいとお客様にお伝えしたら、わあすごい!と言ってみなさん驚いてくれました。そこが伝わるとすごくうれしいです。

編集長:お二人のこだわりが伝わる、お客様に直接手に取ってもらえる販売方法がきっと一番合っているのですね。状況が変わり続けるなかでも、変えてはいけない部分もあるのだと思います。作家活動は、続けるということそのものがとても重要なことだと思いますね。

 

下田編集長が、会いたいと思う人に話を聞きに行く連載「素敵な人に、会いにいってみました」。
5回目は、アクセサリー作家 L’Atelierさんにお話をお伺いしました。
L’Atelierさんの素敵な作品たちが作られる過程や、貝をあつかう上での強い思いを聞くことができました。

さて、次はどんな素敵な人に会いに行きましょうか。
次回もお楽しみに!

▼取材協力
maison de femmeさん(L’Atelier 取扱店)
栃木県宇都宮市二荒町8-2

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