素敵な人に、会いにいってみました

素敵な人に、会いにいってみました 下田編集長× L’Atelierさん #01

「あの人に会いたい!直接お話を聞きたい!」
TANOKURA100人展やフリーマガジンTANOKURAを運営するSeedersの下田編集長が、いま会いたいと思う人にお話を聞きに行きました。

今回お会いしたのは、TANOKURA vol.27に掲載されている企画「TOP20ARTIST」に選ばれたL’Atelierさん。
貝を使って、ブローチやピアスなどのアクセサリーを製作されています。100人展でもたくさんのファンがいるL’Atelierさんに、編集長が会いにいってきました。

▼素敵な人に、会いにいってみました
TANOKURA × L’Atelier
#01 こだわって作る「L’Atelier品質」
#02 貝の美しさを広めるために(近日公開)

◆L’AtelierさんInstagram
https://www.instagram.com/latelier__s/

こだわって作る「L’Atelier品質」

編集長:100人展に申し込まれる数多くの作家さんのなかでも、L’Atelierさんは「貝」を長年続けていらっしゃるので、今日はその貝に関することも含めてお話を聞けたらいいなと思っています。

L’Atelierさん:貝を使ってアクセサリーを作ってきましたが、それは私ひとりではできなかったことでした。L’Atelierの「職人」として技術的な部分を担当している夫の存在があったからこそ、今の活動があります。

編集長:お二人で続けてこられているのですよね。

L’Atelierさん:主にデザインや装飾の部分は私が、貝の削りなどの工程は職人が担当しています。デザインは一緒に考えることも多いです。

編集長:今回は、その職人さんのお話も一緒に伺いたいと思います。もともと、貝を使ってものづくりを始めたきっかけはなんですか?

職人さん:もとは、私が貝そのものを好きだったんです。小学生のころから貝でなにかを作りたいと思っていましたが、当時はどう作ったら良いのかも作り方を調べる方法もわかりませんでした。

編集長:そんなに前から!貝のどんなところを見て物づくりをやりたいと思ったのですか?

職人さん:もともと鉱石のように輝いているものが好きで、貝の真珠層が好きでした。鎌倉に遊びに行ったときに、アバロンという貝の表面を磨いたものの光沢を見て感動したんです。

編集長:自然のもので、光り輝くものに興味をお持ちだったのですね。

職人さん:光の強さと反射する角度によって、さまざまな輝き方をするものが好きですね。ただ、学生時代には自分でなにか作るということはありませんでした。大人になって、物づくりをする仲間と竹細工を作る機会があり、その一環でずっと気になっていた貝を使ってみようと思ってアクセサリーを作り始めました。

L’Atelierさん:そのときの私の貝のイメージといえば、砂浜に落ちているような、白い小さな貝殻を想像していました。そういう貝を使おうとしているのだと思って、初めはあまり乗り気ではありませんでした。確かに綺麗だけど、アクセサリーになるかしら、と。そんななか、職人に誘われて一緒に独学で貝を削ってみたら、光り輝く部分が出てきたんです。これは素敵!とそこで初めて思いました。

編集長:貝殻の神秘性に触れたということ?

L’Atelierさん:そうですね。それまでは、真珠は好きでも貝に興味はありませんでした。

編集長:これが宇宙のどこから来たんだろうと考えるような、そういう想像のロマンというものを、お二人ともお持ちなんだと思うんですよ。この作品の価値というのは、自然の美にいかに手を加えられるかというところなんだろうなと思います。

L’Atelierさん:自然のものは確かにもともと好きですね。二人の好きなものが似ているから、ものづくりでも同じ方向性で進められるのだと思います。最初に自分たちで貝を磨いていったときの美しさに魅せられたからこそ、ここまで続けてこられたのだと思います。

編集長:物事は、継続して最後まで残った人の勝ち。しつこくないと成功しないというのは、何事においてもそうだと思います。

編集長:貝そのものを飾ることもできるけれど、貝のアクセサリーのブランドを作ろうと決めたのは、とても大きなことだったと思います。そこからきっと苦労もありましたよね。色が出ないとか、思い通りの形にならないとか。

職人さん:そうですね。貝を削ったときに、アクセサリーに使用する真珠層の部分が必ずしもきれいなわけじゃなくて、使えないものもあるんです。 “す”が入っていたり、曇っていたり、平らでなくボコボコしていたり。

職人さん:ただ、普通に使うとあまり見栄えしないボコボコした貝も、こんなふうにサイの体の表現に利用することができます。

編集長:なるほど!本当にサイの皮膚みたいですね。

編集長:こっちのライオンのたてがみもすごい!

L’Atelierさん:自分で言うのもなんですけど、カラーがすごくきれいじゃないですか?(笑)

職人さん:このライオンも、貝の個性を利用してたてがみの色を表現しています。使えない部分が出てくるのはがっかりするけれど、ともすれば使いにくい個性を持った貝もぴったりくるモチーフがあるかもと考えるのが楽しいんです。真珠層を見て、この色や模様はなにになるかな、とか考えます。

編集長:アクセサリーにするまでに、どれくらいの時間をかけて磨くのですか?

職人さん:大きさにもよりますが、磨き自体には30~40分くらいかかります。さらに、その磨きの工程にたどり着くまでにもそれ以上の時間がかかっているんです。貝表面の汚れや付着物を薬品洗浄したり、真珠層が出るまで表面を削り込んだり。この地道な作業の積み重ねの先に、真珠層の輝きがあるんです。

L’Atelierさん:もとはこうガリガリとした表皮がついていて、これを磨くと真珠層が出てくるんです。大変な思いをして削っても、”す”だらけで使えないこともあります。

職人さん:削る作業はマスクをして、外でやっています。冬場は本当に寒くて。それでも、新しいデザインを考えたらすぐに削って仕上がりを見たくなってしまうんです。

L’Atelierさん:先ほどのしつこさが大事ってお話がありましたが、夫にはしつこいという言葉が当てはまると思います。もちろんきれいなものの方がいいけれど、限度があるなと思うことがあるくらい。夜に私が一生懸命仕上げたものを、翌朝に全部だめだと言われるともう…(笑)でも、そのおかげで作品の品質が保たれているのは確かです。

編集長:それがL’Atelier品質なんですね。例えば布だったら縫い直しができるけれど、貝は一度切ったら再生ができないうえに、世の中に同じものは2つとない。こだわって作られているのですね。

L’Atelierさん:貝ももちろんなのですが、金属パーツにもこだわっていて、14金ゴールドフィルドというものを使っています。他のメッキのものより14金の膜が厚いので、アレルギーが起きにくいんです。

職人さん:付属のパーツを含めて作品の品質を大事にしているので、購入された後に万が一パーツが壊れたり外れたりした場合のために半年間の保証書をつけています。

L’Atelierさん:また、有償にはなってしまいますが、ピアスを片方なくされた場合の対応も行っています。貝それぞれの個性があるので全く同じものをお作りすることはできないのですが、雰囲気の似ている貝を使って再度お作りしています。お客様から、もう一度作ってでもまたつけたいとご連絡をいただけることがとてもうれしいです。

編集長:貝だけでなく、ひとつのアクセサリーとしての品質にこだわっているのですね。自然のものってそもそも価値があるかないか、という部分から始まって、大衆に価値を見出してもらうのが難しいものだと思います。そこへお二人がまず貝の美しさを見て、手を加えてさらに輝かせることで、自然の素材そのものの価値を人へ伝えようというお気持ちをお持ちなのですね。

(つづきます)

素敵な人に、会いにいってみました 下田編集長× 松本謙社長 #01Seedersの下田編集長が、会いたいと思う人に話を聞きに行きました。今回お会いしたのは、株式会社ファーマーズ・フォレストの松本謙社長。地域の魅力を広く伝える事業に取り組まれていて、ろまんちっく村の運営もされています。...
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