編集長が行く!

下田編集長× もときみちこさん #01

「あの人に会いたい!直接お話を聞きたい!」
TANOKURA100人展やフリーマガジンTANOKURAを運営するSeedersの下田編集長が、いま会いたいと思う人にお話を聞きに行きました。

今回お会いしたのは、アーティストのもときみちこさん。以前はSeedersで編集長と一緒にお仕事をされていました。夢を諦めずに追い続けるもときさんに、お仕事に対する思いをお聞きしました。

▼素敵な人に、会いにいってみました
TANOKURA × もときみちこ
#01 夢に向かって歩いてきた
#02 これからも前へと進む

◆もときみちこさんリンク
web
https://motokino.wixsite.com/michicomotoki
Instagram
https://www.instagram.com/michico_motoki/
Twitter
https://twitter.com/michicomotoki

夢に向かって歩いてきた

編集長:もときさんから見たSeedersのことを聞きたくて、今回は対談をお願いしました。Seedersに入ったころからずっと、もときさんにはアーティストになるという夢があったけれど、今はアーティストとして独立してどれくらい経ちますか?

もときさん:現在は5年目になりました。

編集長:一番最初にもときさんが入ってくれてからは、一緒にいろんなものを作り上げて切磋琢磨した時期だったなと思います。当時はどうでしたか?

もときさん:もう必死でしたね。それまでは一般的な折り込みの広告などを作ってきたので、Seedersに入ってからはずっとチャレンジ続きでした。おしゃれなレイアウトや、今までとは異なる視点のレイアウトをしなくてはいけなくて。それに、忘れられないようなミスもしましたね。頭が真っ白になるという感覚を、そのとき初めて経験しました。今でも思い出すと鳥肌がたちます(笑)

編集長:タイルを発注したお仕事のときとかね。昔の方が、とにかく私に怒られるっていうイメージがあった気がする!

もときさん:でも、今やっているウィンドウペイントや壁面ペイントは、Seedersにいた時期に無我夢中でチャレンジしていたものです。できるできないを考えるより前に、「これやろうよ!」と言ってやってみたことが、現在につながっています。

編集長:無茶振りという言葉があるけれど、それでやってみたからこそできるようになることもあると思うんです。今はコロナもあるから、あんまり大胆なこともできないじゃない?でも、みんなでひとつの大きなものを作るというのはすごく良いですよね。

もときさん:そうですね。チームで作り上げる楽しさは、なにものにも代えがたいです。そのころの私は、仕事のスキルがとても高くてセンスもある仲間たちの中で、やったことのない仕事を前に自分はどうしたらいいんだろうと思って試行錯誤している時期でしたね。

編集長:今は楽しそうに見えるけれど、その根幹にあった苦労とか、Seedersでチャレンジしたことが人生のプラスになったかどうかということも聞きたいです。

もときさん:私がSeedersにいたころは、どんどんメンバーが増えていった時期でした。最初は、私にも経験があるしここのお仕事もできるだろう、と思っていたところが総崩れになったところから始まりましたね。

編集長:自分が作ったものばっかり直されるって思っていた?

もときさん:何度も何度もデザイン案を出し続けたり、もっと上を目指しなさいと言われたりすることの連続でした。これまで培ってきた表現方法もレイアウトに対する考えもリセットしてからのスタートでしたね。どうしたらOKが出るのか考えながら多くのことを学んだ、密度の濃い日々でした。その期間はきっとすごくストレスもあったのだけれど、今思えばあのとき私は成長したんだろうなと感じます。

編集長:そのあとも、もときさんが先生として定期的にSeedersに来てくれていたのはよかったですよね。単にできたものの甲乙だけでなく、ビジネスのセオリーも身につけられたことは、若いデザイナーにとってとても貴重な機会だったと思います。でも、もときさんがそれを教えられるということは、たくさん苦労したからですよね。

もときさん:自分の”やらかしてきたこと”が、若手の気づきや糧になるのならいいかなと思いますね。

編集長:やめた後もTANOKURAのページを作ってもらっているけれど、今のTANOKURAを見て、自分だったらこうするなあと思うこともありますか?

もときさん:あります!Seedersの制作物を見るときは、レイアウトやイラストを「自分ならこうするなあ」とか、「そうくるか!完敗!」なんて思いながら見てしまいます。少しでも一緒に仕事をしていたデザイナーたちが作ったものですから、目に見えて成長していることがわかると、自分も負けていられない!とライバル心に火がつくこともあります(笑)

編集長:もときさんの後にSeedersに入ったデザイナーのことは、先輩からはどう見えていますか?

もときさん:中にいた人間なので、TANOKURAを見てもこの一冊ができるまでの長旅がどんなものか、想像がつきます(笑)冊子をめくりながら、みんなでこれを考えるのにどれくらいかかったのかな?と考えてみたり。それに、こんなレイアウトを持ってくるんだ!と感心することもあります。

もときさん:そうやって制作物を見ていると、今Seedersにいるデザイナーたちが今はどんなふうにやっているのか興味はありますね。私のいたころのように、挫けそうになったときあたたかい言葉をかけたりおいしいお菓子でなぐさめたりしているのかな。大好きな仲間たちがいるというのは、ありがたいですよね。私自身も、苦しくても泣いても、みんなで考えながらやった時期が楽しかったです。

編集長:どんな場面でも、一緒に成し遂げる仲間の存在は大きいと思います。そして、楽しいと思える背景には、もときさん自身がそれまでに苦しいことを越えられるような経験をしてきたからという部分もきっとありますよね。

もときさん:辛いとき、逃げたいときは数えきれないほどありました。どうしたらいいかわからなくなって、溺れるような感じの時期もありましたね。

編集長:それを乗り越えて現在があるのですね。今のSeedersにはもときさんに教わっていない子もいるから、定期的にデザインの先生として来てもらえたらいいんだろうなと思います。紙面もそうだけれど、今はwebにも力を入れているんです。そのどちらにしても、人に感動を与えて動かすことができるものが、デザインとして強いなと思いますね。

(つづきます)

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