編集長が行く!

下田編集長×中山貴央先生 #01

「あの人に会いたい!直接お話を聞きたい!」
TANOKURA100人展やフリーマガジンTANOKURAを運営するSeedersの下田編集長が、いま会いたいと思う人にお話を聞きに行きました。

今回お会いしたのは、漢方や薬膳でいろいろな人の悩み相談にのっている、天明堂薬局の中山先生。フリーマガジンTANOKURAvol.33でも、あずきの効能についてお話してくれました。今回は、そこでは聞ききれなかった、漢方ならではの健康への考え方を聞いてきました。

#01 冷えの改善には、血の巡りと働きが大切
#02 心と体の健康を目指す、漢方の考え方(近日公開)

◆天明堂薬局
https://www.tenmeido.jp/

冷えの改善には、血の巡りと働きが大切

編集長:「TANOKURA」のあずきの話ではお世話になりました、先生!

中山先生:下田編集長、お久しぶりです。ここのところ寒くなってきましたけど、皆さんお元気ですか?

編集長:冷えますよね!うちの事務所、すごく寒いんですよ。でも、寒いと感じる子と、感じない子がいるんです。聞いてみたら、20代のメンバーには平熱が35度台の子もいるんです。

中山先生:うーん。それは低いですね。

編集長:でも、どうやって体温を上げたらいいのかわからなくて。食生活や一日の生活リズムを変えたら、もっと健康になれるのかな。冊子取材のときの先生のお話を思い出し、これは先生に聞いてみよう!と思って会いにきました。

そもそも、冷えを感じやすい人と体温が高くて寒さに強い人とでは、なにが違うんでしょう?

中山先生:漢方の言葉を使うと、陰と陽のバランスです。陽とは温める力、陰は冷ます力と考えてください。陰と陽のバランスがとれていれば、ほてり性にも冷え性にもなりません。冷たいものをとったりタンパク質が不足したりすると陽が低下して陰が強くなるので、冷え性になりやすくなります。

編集長:体が冷えると、どんな影響がありますか?

中山先生:まず、体が冷える原因には血流の悪さも考えられます。漢方の考えでは、血には「体を温める働き」「体の各組織に栄養や潤いを届ける働き」「メンタルを安定させる働き」があるとされています。

編集長:血液にはそんなにいろんな働きがあるんですね。不思議!

中山先生:そうなんです。だから血流や血の働きが悪く冷え性を起こすと、肌も髪もぱさぱさ、目も乾く。さらに、不安を感じやすくなったり不眠になったりすることも。

編集長:私たちの会社は座っている仕事が多いので、下半身のむくみ、冷えにつながりやすい気がしています。血液がメンタルに影響するというのはどういうことなんでしょう?

中山先生:たとえば、デスクワークばかりだとイライラする人が多いですよね。これには、温かいものは上に上がって、冷たいものは下に下がる自然の性質が関係します。

編集長:なるほど、エアコンをかけた室内の空気もそうですよね。

中山先生:そうですね。エアコンの空気はサーキュレーターで循環させたりしますよね。人の体もひとつの容れものなので、血の流れ、循環が良くないと、上にある頭の方がどんどん熱くなってきます。そして冷たいものは下がるので、足は冷えてくるんですね。そうすると、まさに頭に血が上るという言葉通り、イライラしたり頭痛が起きたりします。また、緊張しやすくなるので首や肩が凝ってきます。

編集長:座りっぱなしのデスクワークは、なんだか体に悪そう…。とはいえ仕事は変えられないので、その状態を少しでも改善するにはどうしたらいいですか?

中山先生:ちょっとイライラしてきたな、目が疲れてきたなというときには、5分でもいいから散歩してみる。あとは階段を昇り降りするとか、みんなでスクワットしてみるとか!足に血を送ると、自然と頭の血が下りてくるので、リフレッシュになると思います。気分転換に席を立つというのはすごくいいですね。

編集長:体を動かすことが大事なんですね。食事の面では、どういうことに気をつけたらいいですか?甘いお菓子とか、添加物たっぷりのスナック菓子を食べていても冷え性になりそうです。

中山先生:砂糖は体を冷やしますから、そういった食事による体への影響もありますね。注意が必要なのは、冷え性改善のつもりで辛いものを食べること。辛いものは血流を良くし気分を発散させて体を温めますが、その効果は一時的で、冷え性の根本的な改善にはなりません。

編集長:食べると汗をかくような辛いものって、冷え性にも良い効果があるイメージがありました。

中山先生:辛いものを過度に食べすぎると、体の中に過剰な熱が溜まります。熱は上昇する性質があるので、胸から上に熱がこもり、イライラや頭痛、口内炎、ニキビなどが起こりやすくなります。大切なのは血の巡り。血が全身を巡ることで、体中にくまなく熱を運んでくれます。ストレスのかかる生活をしていると血流も悪くなりがちなので、柑橘類を食べたり、香りのよいお茶を飲むのもおすすめです。

編集長:自分がリラックスできるアイテムを持つといいんですね。

中山先生:そうですね。気持ちをリラックスさせることは、血流にもよい効果があります。あとは、お風呂にしっかりつかることと、睡眠時間を十分とることも重要です。

編集長:お風呂はシャワーですませる人も多いですよね。睡眠時間はどのぐらい必要ですか?

中山先生:個人差はありますが、7~8時間の間に、その人の睡眠に最適な時間があるといわれています。8時間以上寝るとかえって良くないともいわれますね。また、質のいい睡眠をとるためには、寝る1時間半前にお風呂に入って体温を上げてほしいんです。お風呂で体温を上げると、今度は体が体温を下げるモードに入ります。大体1時間半かけて体の奥の体温が下がっていき、よく眠れるようになります。

編集長:良い睡眠を取るために、お風呂のタイミングにもコツがあるんですね!

(つづきます)

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