こんにちは!TANOKURA編集部です。
日々をより健康に過ごすことを考えたら、気をつけることがたくさん。毎日の食事も、どんなものを食べると体に良いんだろう、と悩むことはありませんか?そこで、天明堂薬局の中山貴央先生に、毎月おすすめの生薬をお聞きすることにしました。
まずは一緒に、生薬の持つ力を知ることから始めてみましょう!
乾燥はいろいろな病の元
11月に入り、空気の乾燥がさらに進んできました。漢方では燥邪(そうじゃ)と呼ばれる乾燥症状をもたらす邪気が存在すると考え、その邪気に体が負けてしまうと乾燥による体調不良が起きてしまうと考えます。
特に五臓の中のひとつ「肺」は燥邪による影響が出やすいです。肺は呼吸器系以外にも、肌の調子、水分代謝、免疫力にも影響があります。そのため、肺が弱ると、咳、痰、息苦しさ、肌の痒み、アトピー、浮腫み、便秘、風邪をひきやすくなる、などが起こりやすくなります。11月は乾燥から体を守る生薬がおすすめです。
先生にお聞きしました!11月のおすすめは麦門冬(ばくもんどう)
今回ご紹介する生薬は麦門冬(ばくもんどう)です。麦門冬はリュウノヒゲの根にある一部を乾燥させたもので、「肺を潤わし炎症を抑え、咳を止める」「口や舌の乾燥を良くする」「潤い不足からくる火照りなどが原因による不眠や焦燥感を改善する」「便に潤いを与え便通を良くする」などの働きがあります。季節的な乾燥症状にももちろん有効ですが、加齢による乾燥体質の改善にも使用されます。
体を冷やすので摂りすぎには注意
麦門冬は少し体を冷やす性質があるので、冷え性の人や胃腸が弱くお腹が冷えている人も服用を避ける事です。麦門冬は麦門冬湯や生脈散、養胃湯、天王補心丹などさまざまな漢方薬に配合されています。自分の体質に合った漢方薬を服用するためにも、必ずご相談の上、服用してくださいね。
ほかに、この時期の食べ物でおすすめは梨があります。梨は肺の潤いを補う代表的な食材なので、乾燥するこの時期に良いですね。
今回は、乾燥する季節に潤いを補給する生薬を教えていただきました。乾燥はさまざまな症状を引き起こすのですね。上手に潤いを補給して健康に過ごしましょう。
来月もお楽しみに!
▼天明堂薬局/中山貴央先生
栃木県宇都宮市星が丘2-9-25
028-622-5975
https://www.tenmeido.jp
天明堂薬局では、漢方の視点から体質や体調の改善方法を一緒に考えてくださいます。健康に関するお悩みがある方は、ご相談してみてくださいね。