「あの人に会いたい!直接お話を聞きたい!」
TANOKURA100人展やフリーマガジンTANOKURAを運営するSeedersの下田編集長が、いま会いたいと思う人にお話を聞きに行きました。
今回お会いしたのは、漢方や薬膳でいろいろな人の悩み相談にのっている、天明堂薬局の中山先生。前回は、冷え性改善のために毎日の中で気をつけられることを伺いました。今回は女性には大切な生理の話、さらに前向きに生きるヒントを聞くことができました。
#01 冷えの改善には、血の巡りと働きが大切
#02 心と体の健康を目指す、漢方の考え方
◆天明堂薬局
https://www.tenmeido.jp/
心と体の健康を目指す、漢方の考え方
中山先生:下田編集長ぐらいの年齢になると、まわりに更年期の人も増えてきませんか?
編集長:私のまわりだと、婦人病や乳がん、子宮がんになる方が多いです。20代~30代の人だと子宮内膜症、チョコレート嚢胞、あとは不妊治療をされている方もすごく多いですね。もっと若い中学生なら月経痛の悩みとか。
中山先生:子宮内膜症や月経痛などは、漢方では『瘀血(おけつ)』と呼ばれる血行不良に近い状態が考えられます。経血がドロッと塊になっていたり色が黒っぽかったりする場合は、瘀血の傾向があるとされています。
編集長:生理って人と比べる機会がないですよね。私も経血の量が人より多いことに何年も気がつかないでいて、人間ドックで貧血と言われて初めて知りました。
中山先生:妊活で来られるお客様に、血の塊があるのは良くない状態ですよと言うと驚かれることも多いです。血の塊があったり黒っぽい色をしている場合は、生殖器付近の血流が悪いか血の質が良くない状態だと思います。そうしてよい卵子が育ちにくくなると不妊症につながり、肌つやにも影響があるんですよ。ダメージは蓄積されていくものなので、早めに気づけるといいですね。
編集長:なるほど。まずは自分の状態を知ることが大事ですね。
編集長:それから、コロナ禍で在宅ワークが増えたこともあり、孤独にどう向き合うかもこれからのテーマだと思うんです。孤独というものが、からだに及ぼす影響ってどんなものがありますか?
中山先生:人と会話するってすごく大事なことなんですよね。漢方では、気=エネルギーと考えるんですが、気の流れが悪くなることを「気滞(きたい)」というんです。エネルギーはあるだけじゃなくて、流れていることが大切だという考えです。そして気の流れが悪くなることを、「鬱滞(うったい)する」といいます。「鬱」になるというのは、エネルギーが動いてない状態のことなんです。
編集長:エネルギーの流れがよい人って、どんな人でしょう。
中山先生:芸能人でいうと明石家さんまさんみたいな人ですね。会話していて、こうなったら笑いになるだろうとか、しゃべりたそうにしている人がいるなとか、いろんなところに気、エネルギーがいっていますよね。反対に、ぼそぼそしゃべって一点をずっと見ているような人は、気の流れが鬱滞している状態だと言えるでしょう。
中山先生:人とのコミュニケーションはエネルギーの交換なんです。会話をするというのは、自ら気を発して、相手からも気を受けること。自分の中の気の流れがすごくよい状態でも、しゃべらないということは気を発しない、エネルギーが回らないということなんです。だから、人との会話がないとすごく鬱になりやすい。
編集長:やっぱり人と話すって大切なことですね。でも、人と話していると、楽しい反面ストレスになる場合もありますよね。それでもやっぱり気は流れますか?
中山先生:気にも2種類あって、陽気と陰気があります。陽気な会話というのは、温かくてアグレッシブなエネルギーを生むので、楽しくなったり笑ったり、動きたくなったりする。一方陰気な会話というのは、エネルギーを停滞させる、気持ちを暗くさせる会話です。人の悪口とか、不幸話とか。
編集長:なるほどねえ。
中山先生:苦しいなと感じているときには、心許せる友達に、ちょっと辛いんだけど話を聞いてくれない?と言って、思っていることを出してしまうというのも、気の流れを生むためには有効です。もちろん陰気な言葉をぶつけてしまうので、相手は楽しく感じるわけではありません。でも、「あのときは話を聞いてくれてありがとう」とあとでお礼をすると、最終的には相手に陽気を与えることができます。
編集長:常にネガティブな人もいれば、なにがあってもポジティブに気持ちをもっていける人もいますよね。自分の言動をポジティブに変えれば、いろいろなことが好転していきそうですね。
中山先生:そうかもしれません。
編集長:60歳、70歳になってもすごくチャーミングなおばあさまっているじゃないですか。きっと自分がきれいにしていたいという気持ちに加えて、人からもかわいがられるんでしょうね。よい気を循環させる力が高いと、年齢を重ねることも楽しめるのかなと思います。
中山先生:そうですね。陽気な言葉、陽気な雰囲気に囲まれている人は、アクティブで温かみがあって、行動力もありますよね。反対に、陰気な場所で陰気な会話ばかりしていれば、どんどん気が停滞してネガティブになってしまいます。
編集長:それじゃあ、プラスのトークをしなくっちゃ!朝誰かに会ったら「おはよー!」と大きな声で挨拶するところから(笑)
中山先生:いいですね(笑) できることから行動を変えて、気持ちも体も元気な状態で毎日を過ごしていけるといいですよね。
下田編集長が、会いたいと思う人に話を聞きに行く連載「素敵な人に、会いにいってみました」。
10回目は、天明堂薬局の中山貴央先生にお話を伺いました。食事や生活習慣だけでなく、人との関わりも血や気のめぐりを良くして健康につながるんですね。
まだまだ漢方のお話が聞きたい!ということで、来年からweb TANOKURAで中山先生の食養生の連載が始まることになりました。みんなで健康になりましょう!
さて、次はどんな素敵な人に会いに行きましょうか。
次回もお楽しみに!