こんにちは!TANOKURA編集部です。
フリーマガジン「TANOKURA」内のコーナー「おっこのお散歩日和」では、occo(おっこ)さんのかわいらしいイラストとともに、さまざまな県内の魅力をご紹介しています。
2024年10月発行のTANOKURA vol.45では、赤ちゃんと一緒に紅葉を観に行ったときの様子がつづられています。わくわくドキドキのお出かけ。一緒に出かけている気分になるoccoさんのイラストと文章を、冊子から抜粋してお届けします。
息子を笑顔にさせるもの
秋のある日、息子にあるものを見せたくて家を出ました。最近寝返りを覚えたばかりの小さな私の赤ちゃんは、ベビーカーでの散歩が大好き。そしてなぜか木の下で葉っぱを見せると笑うのです。
手足をパタパタさせて喜ぶ姿がうれしくて、夫が育休中の夏は、車であちこち栃木県内の公園を巡りました。「人生初の紅葉は、かぁちゃんが見せたる!」
今まで気のむくまま出かけていた私が、息子のためにベビーカーを押している。自分の変化がおかしくて、ずんずん歩きながら思わず笑ってしまいます。
街中にあるのどかな公園
到着したのは宇都宮城址公園。宇都宮城の跡地を利用した街中の公園です。広場の真ん中にさっそく、息子が好きそうな木を発見。芝生の上にピクニックシートを広げて、息子をゴロ~ンと仰向けにします。息子はニコニコ笑って楽しそう。
「黄色い葉っぱ、きれいだねぇ」話しかけながら便乗して、私もゴロン。逆さまになった世界は、空と風に揺れる枝葉だけ。こんなシンプルな世界を、息子は見ているんだなぁ。
一瞬時を忘れて息子を見ると…いつの間にかうつ伏せになっていて、くしゃっと掴んだ落ち葉をお口にあーん…「ダメっ」。秋はひらひらと舞う落ち葉もたくさん。彼はどうやら、その落ちる様や芝生や、枝や土のほうが気になる様子です。
「お口に入れたらばっちいよ~」抱き上げるとぷぅん、独特のにおい。たしかここのトイレはオムツ台があったはず。
ピクニックはまた春に
オムツ交換をすませて手を洗い、息子にミルクを飲ませながら撤収することにしました。「なんだか思ってたのとちがうけど、まあいいか!」本当はシートの上で食べる予定だったおにぎりをあわててパクり。
春は家族でお花見に来れるといいなあ、そのころには息子はお座りして離乳食も食べられるはず。
公園をあとにして、座れる場所を求め歩きはじめたものの、思いのほかベビーカーで入れるカフェが見つけられません。
歩き疲れたころ目にとまったのは、オリオン通りのケーキ屋「パティスリーアンフィニ」さん。どうやらイートインもできるみたい。海外のおとぎ話に出てきそうな雰囲気に、見惚れてしまいます。
宝石箱のようなケーキ屋さん
「ベビーカーでもお入りいただけますよ!お手伝いしましょうか?」やさしい店員さんにうながされて、よっこいしょと店内へ。腰を下ろした瞬間、息子は泣き出してしまいました。
「これもよかったら」注文したコーヒーと一緒に手渡されたのは、アヒルのおもちゃ。心遣いに感激しながら、息子をあやしたり抱っこしたり。すると、いつの間にか息子は寝てしまいました。「なるほど、眠たかったのね…」。
ふと訪れた束の間のティータイムに「ふう」とコーヒーをひと口、さらに添えられた生チョコレートをお口に入れて、最高のマリアージュ。「なめらかでおいしい~!」その口溶けと一緒に、疲れもほどけていきます。
ショーケースには美しいフォルムのモンブランや季節のタルト、一粒ひとつぶが宝石のようなチョコレートなど、魅力的なケーキやお菓子がズラリ。見渡すうちに、いつか息子とケーキを食べる日が楽しみになってきました。
さっきまで泣き顔だった息子の寝顔は、天使そのもの。お散歩好きなこの子も、そろそろ大好きなおうちでゴロ~ンとしたいはず。さあ、次のミルクの時間までに、休み休みおうちへ帰るとしましょう。
文・イラスト occo
2024年秋に発行のTANOKURA vol.45の誌面では、occo(おっこ)さんの素敵なイラストと、一緒にお出かけしているような文章を掲載しています。フリーマガジンTANOKURAを片手に、宇都宮の街へ散歩にお出かけしてみてくださいね。
▼イラストレーター occo(おっこ)さん
フリーマガジンTANOKURAにて「おっこのお散歩日和」を隔回連載中。イラストや個展の情報などは、Instagramからチェックしてください!
Instagram @occo_illustration
記事に登場したケーキ屋さん
▼Patisserie Infini(パティスリー アンフィニ)
栃木県宇都宮市江野町7-7
石崎ピル 1F
Instagram @patisserie.infini