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野田琺瑯の工場を訪ねて 〜愛され続ける製品のひみつ

こんにちは!TANOKURA編集部です。

フリーマガジンTANOKURA vol.30の特集「わが家の台所」を制作するにあたり、いろんな方に愛用の台所用品を聞いていたところ、名前があがることが多かったのが野田琺瑯の製品。私自身も野田琺瑯の製品を使っていて、その機能の素晴しさを実感し、手放せない台所用品のひとつとなっています。

愛用する方も多い野田琺瑯の工場が、TANOKURA編集部のある栃木県にあると知ってとても興味がわき、製品を作る工場へ訪問させていただくことになりました。

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今回取材させていただいたのは、野田琺瑯 栃木工場。ここでは、プレス機によって成型された鋼板に釉薬をかけて焼き付け〜製品チェック〜箱詰めまでを行っています。成型の工程は別の工場で行っていて、栃木工場では成型された鋼板についた油汚れやホコリなどを取り除く工程からスタートします。

製品の形に成型された鋼板をカゴに詰めて、脱脂剤と熱湯につけていきます。思わず見入ってしまうほどの、迫力のある光景。この洗いの工程が、これから定着させる釉薬を鋼板にしっかりと密着させるためにとても重要なのだそう。

洗い上げてしっかりと乾燥させたあと、下引きという作業に入ります。下引きとは、鋼板と釉薬をしっかりと密着させるために、グランドコート(下釉薬)をつける作業のこと。職人さんがやっとこを使い、グレーのグランドコートを施していきます。

丁寧で的確、そして素早い職人技。バットやボトル、ケトルなど野田琺瑯の製品はさまざまな種類がありますが、製品の種類によって余分な釉薬をはらう振り方が違うのだそう。

グランドコートをのせたら、乾燥させ焼成炉で焼きます。焼き上がり後に、グランドコートののりにムラがないかチェックしたあと、カバーコートを施していきます。

カバーコートも、グランドコートと同様にやっとこを使い、釉薬に浸けていきます。見覚えのある白い釉薬を、ひとつひとつ丁寧に職人さんがつけていく作業がとても美しくて、思わず手元の動きをじっと見つめてしまいました。

釉薬を施したのち、乾燥をさせながら次の工程へ回っていきます。針金で吊るしながら乾かすので、どの製品にも吊り跡が残るのだそう。

釉薬がムラなく乾くと、野田琺瑯のロゴが製品一つひとつに押されていきます。捺印まで手作業で行われていることに驚きました。

ロゴが押された製品は、このあと850℃もある8mほどの長さの焼成炉に入ります。ここを通り抜けることで、釉薬のガラス質がしっかりと密着するのだそう。

徐々に冷却されながら、つるんとした光沢をまとった琺瑯製品が出てきました。長い工程を経てできあがった製品は、このあと職人さんたちによる厳しい検査を通り、梱包をされていきます。確かな職人技と、厳しい検査をくぐり抜けた製品が、私たちの手元に届いているのです。

今回栃木工場をご案内していただいたのは、野田琺瑯株式会社の野田浩一会長。最初は蒸発皿など理化学用品が多かった野田琺瑯の製品は、現在家庭用品へとシフトし、時代に合わせて新しい製品を生み出し続けています。そこには、会長が「自分が本当に使いたいと思う製品を作りたい」という熱い思いが込められていました。

「ものづくりの原点は、機能美です。機能に優れていて、なおかつ美しいということが理想です。両方を兼ね備えた製品を、これからも一つひとつ丁寧に作り上げていきたいと思います」と話す野田会長。80年以上続く野田琺瑯が大切にしている思いを聞き、これこそが多くの方に愛される理由のひとつだと感じる工場訪問となりました。

野田琺瑯株式会社:https://www.nodahoro.com/

 

最新号のTANOKURA vol.30の特集「わが家の台所」でも、野田琺瑯の魅力をご紹介しています。冊子もぜひ手に取ってご覧くださいね!

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