こんにちは、夏目あやこです。
古いおうちを楽しむためのDIYリノベーション、今回が連載最終回となりました。古いことは、とらえ方・リノベーションの仕方しだいでメリットにもなります!リノベーションでほどよく住みやすくなった、アパートの全貌をご覧ください。
広々と明るくなったリビング
純和風!だったリビング。畳をあげて、断熱材もあげてコンクリートをむき出しにして、きれいにして。押入れも扉を外して、棚も外して。大工さんが一か所一か所丁寧に下地を作ってくれました。
明るく開放的だけどなんか落ち着く。いい塩梅のレトロ感ある空間に。今回、あえて天井や天袋のなかを塗装しなかったのですが、そういった部分から感じる昔の雰囲気を残したことが、かえってあたたかみを演出してくれました。黒い照明も、ピリリとアクセントになって引き締めてくれています。
手を加えすぎない和室
和室はあえて手を加えすぎず、今あるあたたかみを残しました。収納の作り替えと壁をきれいにする塗装のみでしたが、壁を落ち着いたイエローにすることで、残した天井や枠が生きてきました!
ひとつはあるとほっとする和室。寝室として、遊び場として、使ってもらえたらいいなと思います。
使い勝手がよくなったキッチン
スペースは確保されていたけど、なかなかレトロな雰囲気のキッチン。でも、今はもう作れないこの雰囲気を残して、使い勝手もよくしたくて。
シックな木目の作業台を足し、扉の色を生かすためにあえて濃いベージュの壁にしました。昔のおうちって、色がそうは揃っていないもの。きっちりしすぎていないのも、落ち着く要素だったりします。
今時のおうちだとあまりないキッチン脇の大きな窓。日差しとともに目に入るグリーンが、なによりのリラックス要素です。
コンパクトながらもかわいいを詰めた洗面室
洗面室はかなり年季が入っている様子でした。設備こそ壊れていないものの、暗い雰囲気が否めなかったので、とにかく明るくそしてコンパクトながらも使い勝手の良い空間を目指しました。
反対側から見た施工後写真がこちら。全体を白で丁寧に塗装し、あたたかみのある木材を使って収納を作り、ポイントにタイル風シールと丸い鏡を採用しました。床のヘキサゴンタイル風シートと相まって、シンプルながらも洗練された雰囲気に仕上がりました。広いとは言えない空間ですが、広さではない良さがこの空間にはあります。
きっと、朝の支度も楽しいものになりますね。
築年数を重ねると、確かに見た目の古さも出てくると思います。でも、今やそれは時間が経過したことでしか作れない雰囲気なのです。必要な分だけ新しくしたり、ほんの少しだけ今できるDIYを施すことで、今からでは作れない空間に生まれ変わることができるのです。
築年数を重ねた物件は、あきらめるどころか宝物だとすら思います。今後も空き家や古い物件が活用され、生まれ変わることができるといいなと思います。
夏目あやこさん Profile
不動産会社、設計事務所勤務を経て結婚を機に茨城に移住。
一級建築士・宅地建物取引主任者
整理収納アドバイザー1級
現在は、夫・三姉妹と5人暮らし。
「暮らす」を「愉しむ」ことをモットーに、暮らしにまつわるアイディアを発信。
著書「なつめさんちの新しいけどなつかしいアンティークな部屋つくり」