こんにちは。TANOKURA編集部です。
家づくりをしようと思ったとき、ほかの方がどんなふうに作っているのか気になりませんか?これからおうちを建てる方も、いつかはおうちが欲しいと憧れがある方も、一緒に家づくりのひみつをのぞいてみましょう!
今回ご紹介するのは、テクノホームで建てた宇都宮市にあるかなめちゃん家です。
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おうちデータ
好きなインテリアは?
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木や石など、自然素材を使ったナチュラルな感じが好きですね。床座スタイルな落ち着いたスタイルが好みなので、少し和のテイストもありますかね。
好きな雑貨屋さん・家具屋さん アクタス・松本民芸家具・イームズ・雑貨屋めぐり(益子)
参考にした雑誌 チルチンびと・設計知識
家を持つきっかけは?
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子どもが幼稚園にあがるのを機に、それまではアパート暮らしなどを転々としていたのですが、落ち着いて生活したいかなと思いました。小学校区と幼稚園の関係も考慮して検討し始めました。本当は、田舎に建てたかったんですけどね。なかなか良い土地が見つからなったのと、学校も近くになかったり、日常の買いものもできないところでは難しいかなと諦めました。
購入を考え始めたのは誰?
私(ご主人)ですね。消費税も上がるという話もあったり、いろいろなタイミングが上手く重なったことも購入への決め手になりました。
なぜ、この施工会社に決めましたか?
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妻の兄が知り合いだったということで紹介されました。私の付き合いのある工務店にもいろいろ相談したのですが、どこの工務店も限られた予算内では、「外構までは無理かな~」という話ばかりされました。でも、ここの工務店さんだけは乗り気だったんですよね。構造や使用する材料などの提案も快く受け入れてくれてました。まじめという言葉が正にピッタリの工務店さんです。わが家の予算で、この家を建てられるのはここしかなかったと思っています。
お気に入りの場所は?
キッチン・リビング一体の空間です。この家の設計は、このリビング空間から始まったんですよ。あとは足していっただけで。キッチンを掘りさげたことで、リビングにいる家族と目線も合います。家の中心にあるので、家全体を見渡すこともでき、子どもがどこにいても気配を感じることができるように設計しました。リビングから繋がるデッキスペースでは、夏にはテーブルを出してお酒を飲んだりと楽しんでます。
もう一度家を建てるなら、どんな家にしますか?
今度こそは、田舎のなかに平屋の家を建てたいですね。
これから家を建てる方へのメッセージを
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薪ストーブとW断熱はお勧めですね。ぜひ取り入れてもらいたいと思います。それから土地探しとプランニングには時間をかけた方が良いですよ。できれば家を建てる一年位前から準備を始めるとたくさん良いアイデアも出てくると思います。やりたいことは、予算にも限度があるので見極めも必要ですよね。それでも、工夫次第で快適な空間は手に入れられますよ。
それから建築現場には、まめに通ったほうが良いと思います。大工さんは選べませんが、仲良くなることでお願いできることも増えるかもしれませんしね。
正解ポイント
W断熱構造で一年中快適生活
外張り断熱+断熱材のグレードを上げたことで得られたW断熱効果。夏は涼しく、冬は暖かい。低コストで抑えたわが家で、唯一お金をかけた部分ですが、価格以上の効果が出ていると思います。今年の夏は暑かったですが、家のなかは一定の温度が保たれているので快適に過ごせました。冬も本当に暖かなので最高です。
夏涼しく、冬暖かな住環境。みんなの憧れですよね。工法や断熱材を工夫することで、更なる効果が期待できるんですね。
床材も吟味して
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リビングの床材は栗にしました。いろいろな無垢材のサンプルを取り寄せ吟味した結果、肌触りやぬくもり感などが一番良かったので決めました。みんなが一番過ごす時間が長い場所ですからね。栗は固い木なので傷などにも強いのでお勧めですね。木目の紋様も独特で気に入っています。
無垢の床材も、色や好みなどでいろいろと選べるんですね。提案されるものをただ取り入れるのではなく、自分たちでいろいろ調べてみると、好みのものが発見できるかもしれませんね。
玄関から繋がるキッチンで荷物も楽々
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広く取られた玄関の土間空間から、直接キッチンスペースに行けるようにしました。玄関入ってすぐなので、重い荷物も楽々運び込めます。普段の買いもの担当は、お母さんなので喜んでもらえてます。
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玄関ドアからすぐ目の前に、キッチンへと繋がる格子戸がありました。ドアtoドアで行けるのは毎日のことですし、本当に助かりますよね。本当は、土足のまま使おうかと考えていたそうですが、みんなが靴を脱いで使っているのでそうしていますとのこと。お母さまは、普段からこの出入り口ばかり使っているそうです。
家中ポカポカ薪ストーブ
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薪ストーブを入れたのは、本当に大正解でした。夜だけ火を入れるんですが、家中ポカポカに暖かくなるんですよ。朝になっても効果が持続しているので、寒いなあと思った事は無いですね。わが家の暖房は、薪ストーブこれだけなんです。2階は暑いくらいで、娘は冷たい枕を使って寝ています。
扱いが難しいかと不安だった奥様も、「使ってみると案外簡単でした」とご自身で火入れなども行っているそうです。ピザを焼いて食べたりと調理器具としても大活躍。娘さんも大喜びだそうです。乾燥しやすいので加湿には気を配りますが、洗濯物の乾きは抜群。天気が悪い日などは大助かりとのことでした。
巾木や窓枠はスッキリ
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巾木を通常の半分以下の高さにしたことで、見た目もシャープですっきりした印象にしあがりました。開口部の脇の納めにも工夫しました。3方納めにするのが普通なのですが、両脇の部分を壁が周り込んだような形状に仕上げたので、カーテンの納まりもすっきりするんですよ。ちょっとした工夫ですが、印象がガラリと変わります。
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ちょっとした工夫で部屋全体の印象もアップするんですね。ご主人のこだわりがきめ細やかで感心しました。
失敗ポイント
素材選びも難しい
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キッチンはタイル敷きにしました。あえて滑りにくい素材を選んだのですが、タイル表面が思っていた以上にザラザラした素材でした。床拭きすると、雑巾の繊維が残っちゃっうんですよね…。
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安全面を考慮して選んだタイル。思わぬ問題が発生してしまったそうです。確かに取材時に、ストッキングが引っ掛かる感じを受けました。素材選びも難しいですね。
塗り壁にも意外な落とし穴
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壁は珪藻土の塗り壁にしました。質感や調湿効果で快適な環境を得ることができて満足しています。コスト面とセルフメンテナンスが容易ということもあり珪藻土のグレードを選んだのですが、塗り厚が薄いので、日中は大丈夫なのですが、照明が当たると下地の目が見えてしまいました。
塗り壁など自然素材を取り入れる家が多くなった昨今。珪藻土にもいろいろなグレードがあるのですね。実際に施行する前に、専門家に相談してみたほうが間違いなさそうですね。
小さいことでも確認を
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キッチンにある分電盤の位置が低かったことですかね。確認不足で、気が付いたときにはすでに設置済みで変更できませんでした。食器棚を購入する際に、背が低いものしか入れられなく、持っていた食器を全て納めることができませんでした。壁の上部に取りつくんだろうと思っていたので、確認しなかったんですよね。
手が届きやすいようにとの思いで低い位置に設けられた分電盤。細かいことでも、ちゃんと打ち合わせて置けば良かったと後悔されているそうです。陶器集めがご趣味なお母様と奥様。素敵なコレクションが出しきれないのは寂しいので、現状の位置で最大限に置ける食器棚の購入を検討しているそうです。
コストダウンポイント
天井高を抑えてコストダウン
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天井高を低くしました。材木や仕上げ材などのコストを大幅に削減するできました。できれば、後50cmほど低くしたかったのですが、工務店さんから「さすがにそれは低すぎますよ」って言われちゃったんで断念しましたが。
設計士さんならではのコストダウン方法。床座スタイルの生活を想定していたので、実現することができた方法だそうです。低さを感じさせない工夫が随所に施されているので、説明を受けるまで全く気が付きませんでした。
知識が有るとコストダウンも多種多様
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軒天を野地板表しにしたので、仕上げ部分が不要になりました。野地板なのでインクマークは大工さんにやすりで削ってもらいました。上手く仕上げてもらい満足しています。
軒天の板張りが、本当は下地材だったとは…。たくさん知識があるとコストダウンの方法もふんだんに出てくるのですね。
補助金も上手く利用して
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大谷石を、薪ストーブ周りと玄関に使いました。自然な風合いが好きなので設計時から使いたいと思ってました。インテリアのアクセントにもなって良い感じに仕上がったと思います。余った大谷石はもったいないので、玄関ポーチに利用しました。アクセントにもなってオシャレ仕上がりました。
インテリアとしても注目されている大谷石。消臭。調湿効果もあり人気のある建材ですよね。補助金も出るので、取り入れやすくなったそうですよ。
仕上げ材を抜いてコストダウン
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わが家は、Jパネルという建材を利用して仕上げ材をカットしました。天井材と床材がこれ一枚で済んだのでコストも削減できました。見た目も綺麗ですし、仕上げ材を入れるのももったいないかな?という思いが強かったので。折角の木の質感を、合板などで覆ってしまうのは嫌だったのもありますしね。板一枚なので、音は結構響くのですが、リビングと玄関の上の部分だけなので気になりませんね。
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「2階は合板フローリングで諦めました」というお話をよく聞きますが、ひと工夫で質感は落とさずにコストカットもできるのですね。本当に勉強になりました。
こだわりポイント
家の中心 計算しつくされた快適空間
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キッチン・リビング・外へと繋がる空間ですね。家の設計もこの空間を中心にしました。家の中心にあるので家族団らんの空間です。外溝も設計段階で組み込んでいたので、一体化したスペースが実現できました。夏はライトアップしたシンボルツリーをのんびり眺めながら過ごしています。
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当初から外構を含めてプランニングしていたからこそ完成された寛ぎの空間。「私の独断で設計したんですよ」とご主人は言いますが、随所にご家族への細やかな思いやりが感じられ、家族みんなが笑顔で過ごされる素敵な空間がありました。
玄関収納を設けないことで、あえて生活感がある空間を演出
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私の祖母の昔の家が同じような作りの玄関だったんです。上がり縁のところにみんなの靴が並んでいて、人の気配を感じられるような空間が好きなんですよね。いわゆる玄関という作りが好きではないので、靴箱などの玄関収納も設けませんでした。
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大きくとった土間の玄関スペース。あえて靴も並べて置くという昔ながらの眺めが、懐かしい雰囲気を醸し出していました。照明が施されたニッチに、ギャラリーのように季節ごとに飾るのが楽しみだそうです。ほかの靴はどこにしまってあるのだろうと思ったら、なんと素敵なチェストのなかに靴が納められていました。これには、本当に驚きました。
ガラス格子で開放感
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リビングと玄関の仕切りは、造作の建具を入れました。和調の縦格子の引き戸は、やはり祖母の家の作りをモデルにしました。格子をもっと入れても良かったんですが、掃除が大変だろうなと思ったので…。この幅で落ち着きました。
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ガラス格子の引き戸。視界が遮られないので、戸を閉めていても繋がっているような感じを受けました。玄関にリビングからの光が入り込むので、いつでも明るい空間が保たれているそうです。
外観はシンプルを心がけて
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玄関扉もシンプルなものを選び、外壁も塗り壁にしてスッキリと仕上げてもらいました。雨樋や縦樋などの無機質なものはあまり見せたくなかったので、できるだけ小さいものを取りつけました。雨どいは屋根と一体化したような感じに仕上がって見立たなくなり、縦樋も玄関側からは見えないように建物の形状を工夫しました。すっきり仕上がり満足しています。
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訪問したときに、どこに手をかけるのかさえ分からなかった木製のドア。そして、雨樋まで見えないように工夫するなんて…。「シンプル」への並々ならぬこだわりを感じました。そうした細かい配慮をすることで家全体が引き締まった印象に仕上がるのですね。
こだわりの陶器でセンスアップ
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妻とお母さんが、陶器が趣味なので自然と家にも取り入れました。わが家のイメージにもマッチしていて気にいっています。
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照明や洗面ボウル、随所に飾られた陶器の数々。和の雰囲気を一層引き立てていました。作品の多くが奥様のお兄様(陶芸家)の作品だそうです。本当に素敵ですよね。
板張り天井で質感アップ
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吹き抜け部分の天井は、板張りにしました。節の多い杉板にしたので、コストも抑えることができました。安く仕入れることができたので、ほかの場所にも使えました。取り入れ過ぎでカントリー風になってしまうのは嫌だったので、配分には気を使いました。
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吹き抜け、寝室とつながった板張りの天井。家のグレードがアップしますね。リビングスペースからの眺めは圧巻でした。節の多い杉材も好みさえ合えば、低コストで使用することができるそうですよ。
ライターズボイス
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スッキリとしたシンプルな玄関から室内に一歩踏み込むと、自然素材をふんだんに使った安らぎの空間が広がっていました。リビングでは、大きな薪ストーブと、松本民芸家具が懐かく優しい雰囲気を演出していました。ご主人の言葉からは、自分の設計プランを、前向きな姿勢で受け入れてくれた工務店さんとの強い信頼関係を感じることができました。 ご主人を始め、工務店の担当、大工さんなど、この家の制作に携わった多くの人たちが同世代だったこともあり、チームプロジェクトのように意見を出し合って、この家を作り上げたそうです。「設計当初は、とても心配でした」と教えてくれた奥様でしたが、現在のお住まいに大満足だそうです。設計士であるご主人の、家族への愛情が随所に感じられる暖か家でした。庭の木々が青々と茂っている季節に、再度訪問してみたいなあと感じました。
栃木の工務店 / テクノホーム
株式会社テクノホーム
栃木県宇都宮市御幸ヶ原町150-27
028-660-6145
https://technohome.co.jp/
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