こんにちは!TANOKURA編集部です。
2024年1月に発行したTANOKURA vol.42の特集では、日本酒にクローズアップしました。宇都宮市にある老舗酒店「目加田酒店」でご紹介いただいた、日本酒 鳳凰美田の醸造元「小林酒造」さんは栃木県小山市で明治5年から続く歴史ある酒蔵。顔の見える農家さんから原料を仕入れ、卸す先も顔の見える特約店のみ。いいお酒を価値の分かる人に届けたい、というブレない想いを持って日本酒を世界に発信している、今とても勢いのある蔵元なのだそう。
酒蔵見学は普段行っていない小林酒造さんに、今回特別に日本酒ができあがる実際の様子を見学させていただき、日本酒についてお話をうかがいました。
日本の旬を楽しむぜいたく
-小林さん
日本では、どんなに高価な食材よりも、旬のものをぜいたくだとする文化がありました。日本酒は、日本で育った原料を使って日本で作るのだから、世界中のどんなお酒よりも、「旬」を楽しめるお酒です。四季折々のその季節だからこそおいしい食材と、日本で育った原料でつくられた日本酒が、合わないはずがないのです。日本酒も日本食も「引き算」の文化ですしね。
-TANOKURA編集部
なるほど!私、母が作るだしからとった煮物が大好きなのですが、だしを使った料理はほんと引き算ですよね!日本酒も、あんなにたくさんお米を削るのは苦味や雑味を削って味を洗練させていく、ということなのですね…。日本酒には手作りのおつまみが合うなとなんとなく感じていた理由がわかりました。
日本酒を楽しめる自分になる
-小林さん
日本酒をおいしく呑むには、仲間が必要だと私は思っています。ウィスキーやハイボールって、ひとりで呑むシーンにも似合うけれど、日本酒って、やっぱり仲間と語り合いながら飲むお酒だと思いませんか?それに、体調がよくないときに日本酒を呑むとおいしくないし、悪酔いしやすい。逆に言えば、日本酒がおいしいと思える体調や人間関係を保っていられれば、健やかでいられるということです。
-TANOKURA編集部
いいこと聞きました!日本酒が似合う大人になりたいと思っていたのですが、そのために、楽しめる環境を作って、内面を磨くように心がけます。それって、人生が今より豊かになりそうですね。なんだかわくわくしてきました!
日本酒ができあがるまで
小林酒造の小林正樹さんにお話を聞いた後、小林酒造工場を見学させていただきました!
こだわりの酒米
信頼できる産地の農家さんに作ってもらった酒米。純米吟醸用として、雑味を減らすために40%磨いたお米はこんなに小さくなる。おいしさを追求するためのぜいたく!
お米を磨き、洗って水に浸す
酒用のお米は、私たちが普通に食べるお米よりももろく、5分水に浸しただけで、手で潰すとさらっと崩れるほど。浸水の時間は5秒単位で品質が変わってくるため、とても気をつかう工程だそう。
お米を蒸す
蒸しあがったお米から湯気が高くあがる光景は迫力満点。お米を扱うのは大変な力作業なのだと驚く。
麹(こうじ)をつくる
蒸したお米を広げ、麹菌を振りかけて3日ほどかけて麹にする。室内温度が45度にもなる麹室で、麹の様子を見守る蔵人さんたちの様子に、日本酒の味を決める麹づくりの大変さがうかがえる。
醪(もろみ)をつくる
4日間かけて仕込み、30日程度発酵させる。仕込んだばかりというタンクの近くで香りをかぐと、バナナのような甘い香りを鼻の奥まで吸い込んでびっくり。香りは日々変化していき、絞る直前のものはリンゴのような香りがした。日本酒の甘い香りの源を体験できて感激。
このあと半月ほどしたら、絞る作業が始まるのだそう。秋に収穫されたお米で作られた新酒がどんな味になるのかとっても楽しみ!
お話を聞いた小林酒造株式会社
小林酒造株式会社
栃木県小山市卒島743-1
※酒蔵見学は行っていません
https://hououbiden.jp/
Instagram @hououbiden