LIFESTYLE

手づくり作家インタビュー

2016.08.22

素材、デザイン、魅せ方も・・・
「大人世代のナチュラル服」にこだわりたい

家政科被服コースの高校を卒業後、会計事務所勤務や旅行業系・ホームヘルパー専門学校を経て、28歳で結婚。出産後10年専業主婦の後、リネン服Crea no.8として、洋服を製作販売。また、路地裏雑貨店メゾンドクチュールにてハンドメイドショップチクタクボンボンを経営。
  • 1971/栃木県那須塩原市出身

  • 1999/結婚後大田原市へ

  • 2009/"ハンドメイドショップ チクタクボンボン"を開業

  • 2011/ 路地裏雑貨店メゾンドクチュールに拠点を移し、『リネン服Crea no.8』での活動を開始

洋服作家になるまで

小学生の頃から布小物を作ることが大好きで、夏休みの自由研究はほとんど手芸作品でした。高校時代は、家政科被服コースを専攻。自分用にバックや、ワンピースを作ることはあっても、作家活動をする事になるとは当時は思ってもみませんでした。
結婚後、出産に子育てとで自分の時間を持つ事も無く、バタバタと10年は主婦業で過ぎました。そんな中、息抜きで始めたミシン。最初はリネン生地で小物を作るくらいだったのですが、リネンのワンピースは市販品が高くて、欲しくても買えない。それなら自分で作ろう!と洋服も作るようになりました。100人展に誘われ出展をしたのをきっかけに、販売用にも洋服を作り始めるようになりました。

仕事と暮らしと環境

私の場合、作家活動を始めたのと店舗開業が同時で、その頃子ども達は小学校低学年。下校は店に寄ってもらい、それから一緒に家に帰っていました。営業時間は、基本的に子ども達が家に帰って来る時間に合わせて終了しています。土日は、部活動のサポートの為定休日にし、子育てと、作家活動が重ならない様にしていますが、イベントの時は、主人に家のことは任せています。
私たち夫婦は、基本お互いのやる事を尊重しているので「やってもいい?」とか、「行ってもいい?」というような事がないですね。店を開業する時も、「今度ここで店をやる事になったんだ。」と主人に伝えると、「そうなんだ。いいんじゃない」。基本、反対されるとか、口を出される事はありません。ありがたい主人ですね。その代り、店を開業する際、家計費から資金を出したくなかったので、はじめのうちは朝の清掃のバイトをして、経費にあてていました。赤字こそ出しませんでしたが、黒字になったのは3年目だったんですよ。
4年前に新居を構え、アトリエスペースを確保する事ができたので、製作がスムーズになりました。家で裁断したものを店舗で縫い上げるのが、今のスタンダードスタイルです。

作品についての想い

大人世代のナチュラル服」をテーマに作っています。気がつくといつも選んで袖を通している。私の作品がそんな風に日常のワードローブになれたら嬉しいです。私自身、リネンの素材感や程よいハリ感、肌触りが好きなんです。乾きもよく、梅雨の時期も臭くならないので洋服には最適です。年齢を重ねた肌に、天然素材は優しいですしね。

リネン服Crea no.8の服は、通年半袖から七分袖で、一年中着回しが効く、重ね着を意識したデザインです。お手持ちの服とコーディネートしやすくて、主役にも脇役にもなれるシンプルなものにしています。ワンピースの丈もパンツとのコーディネートを考えて、バランスをとりやすい丈に。他に工夫しているのはアクセサリーやストールをつけたり、シャツを重ねたり、色々な表情がお楽しみいただけるように胸元のデザインをすっきりさせること。あとは着心地は楽ながら、きちんとした印象を持たせる袖周りにすること。そんな風に、大人世代が楽しめる服になるよう、細部までこだわって作っています。

今後のこと

店舗内にもアトリエを設置し、洋服製作の他、衣料雑貨販売、季節ごとの展示会を計画しています。
今年は新しい動きに向けた、助走の年になりそうです。

最近のライフワークとして、ミシンの合間に二年前から少しずつ自宅の庭作りもしているんです。洋服と一緒で、作り上げていく過程がワクワクして楽しい時間です。目指すはターシャの庭×赤毛のアンの世界。5年後はナチュラルウエアー&ナチュラルガーデンのコラボ企画が出来たらいいな、と考えています。

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TANOKURAレポーターの感想
独身の頃は、年1回は海外旅行に行っていたという栗田さん。色々なものを見たり、知ったりするのが好き、という好奇心旺盛なところは、洋服のデザイン・制作はもちろん、店舗経営や庭づくりなどにも活かされているのでしょうね。ご自身のブランドへのブレない想いは、ファンのハートをがっちりつかんでいるのだろうなぁと感じさせました。
ライター︰tomoko
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