LIFESTYLE

手づくり作家インタビュー

2016.07.04

様々な表情を生み出せる「織り」の魅力
世界にたったひとつの、
人と差がつく小物にして届けたい

10年間の洋服販売員の仕事を経て、2003年結婚。本屋で出会った織りの本をきっかけに、2014年arbreとして作家活動を開始。「世界にひとつだけの手織り生地で作る、オリジナル小物」を数々制作している。
  • 1974年/宇都宮市に生まれる

  • 2013年/織りと出会う

  • 2014年/arbreとして活動スタート

  • 2015年/公益財団法人 日本生涯学習協議会
      日本染織協会 認定インストラクター資格取得

手織り作家になるまで

木工家具職人の父と、洋裁をしていた母の元で育ったので、ものを作るということはとても身近なことでした。1枚の板がみるみるうちに家具になっていく・・・魔法のような父の仕事ぶりを暇さえあれば眺めて、「つくる」ことの魅力を感じていたものです。
洋服販売員の仕事を長くしていましたが、数年前、本屋さんでたまたま手に取った「段ボール織り」の本が、私を織りの世界へと誘いました。本格的な織り機で織りはじめると、糸の組み合わせや織り方で様々な表情が生み出せるということを知り、織りの魅力にとりつかれてしまいました。
 
「自分で生地がつくれるなら、本当に世界にひとつだけのモノが作れる。それを誰かに届けたい!」という思いで、作家として活動を始めました。

仕事と暮らしと環境

主人と2人暮らしなので、平日は一日中、織りとミシンに没頭しています。そのかわり休日は、極力外出をするようにしています。アウトドアが好きなので、キャンプやカヤックなどで、リフレッシュしています。

私の作家名arbreは、フランス語で「」という意味なんです。登山中に驚いた木の生命力、惚れ惚れするシルエット・・・自然は私に色々なことを教えてくれます。有名な某CMの「この~木なんの木、気になる木」を見て、こんな大きな木のように成長出来ますように!という願いも込めてarbreと名付けました。

制作は、部屋の一角にある作業台に折り機を置き、行っています。主人も作ることが好きなので、イベント用の看板や什器を制作してくれたり、イベントに一緒に参加して手伝ってくれたりするんですよ。とてもありがたいことですね。

作品についての想い

「世界にひとつだけの生地」でつくった「世界にひとつだけのバッグ」を持ってワクワクしてお出掛けしてもらいたい、そんな想いで作品を作っています。
 
テイストとしては「大人カジュアル」なものを意識していますね。最近の言葉だと、抜け感ファッションというのでしょうか・・・ラフだけど、どこか一部カチッとしているとか。極端に例えるなら、ジーンズ&Tシャツにスニーカーを履くと若い人カジュアルですが、ジーンズ&Tシャツを軽くインしてヒールを履くと大人カジュアルになる、そんな感じでしょうか。そんなファッションに、表情豊かな手織りの生地で作った小物はぴったりだと思うのです。「世界でひとつだけの生地で作った、世界でひとつだけの小物」は人と少し差がつくファッションの手助けができると思っています。

今後のこと

栃木県内、県外のイベントに出展して、1人でも多くの方に、織りを身近に感じて欲しいと思っています。糸の組み合わせや織り方で、全く仕上がりが違ってくる織りの魅力を、たくさんの方に届けたいのです。

具体的な作品のことで言うと、今まではカラフルな色合いのボーダーのものをメインで作っていましたが、今年は、きれいな色合いのチェックのものにもチャレンジしようと思っているんです。他にも、あんなもの作りたい、こんなもの作りたい、と色々想像が膨らんでいます。生地はどのように織ろうか、そしてその生地で何を縫おうか・・・組み合わせは無限ですから。
 
1人でも多くの方に、arbreの手織り小物を持ってワクワクしてもらいたい。そのためには、日本中の何処にいても、arbreの商品が手に届く環境をつくっていきたいですね。

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TANOKURAレポーターの感想
本屋さんで偶然手に取った「段ボール織り」の本が、作家さんとして生きるきっかけになったと思うと、縁というものの不思議さを感じます。長い間、洋服販売員として働いてらっしゃった経験も、トータルのファッションをイメージしながら小物を作ることができるという強みに活かされていますね。arbreさんのワクワクが、手織り小物を通して日本中のたくさんの方に届きますように。
ライター:tomoko
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