こんにちは、夏目あやこです。
前回、前々回と大掛かりな壁・床のDIYをご紹介した連載「古さは味方!良さを生かしたDIYリノベーション」。
古いおうちを楽しむためのDIYリノベーション3回目は、収納編です。築年数を重ねたおうちは、そもそも作り付けの収納が少ないのが悩みどころ。こういった物件のリノベーションは、使いやすい収納を考えることも暮らしやすさに繋がる大きなポイントです。少しずつ手を加えた、各部屋の収納をご紹介します。
和室押し入れはオープンクローゼットに
寝室として使える畳のお部屋には、押入れがありました。こちらは押入れのなかの棚を大工さんに外してもらい、壁、床ともに新たに仕上げを施しました。
扉は取り払い、ハンガーパイプを取り付けオープンクローゼットにすることで取り出しやすく湿気がこもりにくい収納に。奥の壁には、元気の出るビタミンカラーのイエローの壁紙を貼ってあります。クローゼットだって、いつも楽しい空間にしていたいですね。
奥行きのある押入れなので、奥に使わないものを置けるようになるべく手前になるようにハンガーパイプの位置を調節してあります。収納力抜群の「元押入れ」になりました。
小さな洗面室の可動棚は働き者
小さな洗面室には、棚柱という金具を使って高さを調整できる棚を3段作りました。意外とものが多い洗面室。収納スペースが全く無かった洗面室でしたが、ちょっとした隙間にも収納をつくることで、格段に使い勝手がよくなります。強度もしっかり出るように木材で補強していますので、ストックなども置ける場所に。
洗面台の正面には、小さな棚も設置。ちょっとした収納スペースとしてももちろん、お花やアロマなどを飾るスペースとしても使えます。小さくても、使いやすい洗面室を目指しました。
広い押し入れはリビングと一体化して
幅が1間半(約2.7m)もある押入れは、あえて棚などを設置せずリビングと一体化させるため床をのばして同じ空間にしました。
10畳だったリビングは、この押入れ空間を入れて11.5畳になります。リビングの使い方は人それぞれなので、ここに机を置いたら、勉強スペースにも在宅ワークスペースにもなります。テレビを置いたら、リビングを思いっきり広く使えます。お子様の遊ぶスペースとおもちゃ収納にして、手前にカーテンを付けたらさっと隠せる空間にも。賃貸だからこそのフレキシブルな空間にしつらえるため、ちょっとこもり感のあるこのスペースを「空間」として残しました。
押入れの上部は一部の扉を外し、見える収納にしています。天袋収納が死蔵品だらけになってしまうのは、「見えないから」。ラベルをつけた箱を並べれば、天袋だって立派な収納です。
キッチンと同じ高さのテーブルをDIY
ステンレスのキッチン脇には、元家具職人のオーナーさんが自らオイル仕上げの作業台をしつらえてくれました。小さなキッチンだけでは、料理をする際の作業スペースが足りない。なら作っちゃおう!ということで、便利に使える空間に大変身。作業台の下は、ごみ箱や収納ボックスも入れられるようオープンになっていて、自分でカスタマイズして使えるのも魅力。これで朝のお弁当作りや家族分のお料理を並べても狭くないですね。
リノベーションをするなかで、収納作りというのはとても大事な要素であり、考えるのもとても楽しい要素であったりします。もし自分のおうちをリノベーションするなら、どんな収納が欲しいか?どうせなら、ウキウキする空間に作り変えたいですね。
収納作りは、DIYでのカスタマイズが一番楽しいところです!
次回は、連載最終回!リノベーションによってより住みやすくなったお部屋の全貌をご紹介します。
夏目あやこさん Profile
不動産会社、設計事務所勤務を経て結婚を機に茨城に移住。
一級建築士・宅地建物取引主任者
整理収納アドバイザー1級
現在は、夫・三姉妹と5人暮らし。
「暮らす」を「愉しむ」ことをモットーに、暮らしにまつわるアイディアを発信。
著書「なつめさんちの新しいけどなつかしいアンティークな部屋つくり」