LIFESTYLE

手づくり作家インタビュー

2016.07.25

いつまでも可愛くありたいと願う女性のために
願いを込めて丁寧に1つ1つつくる

短大卒業後に事務員として家具店、百貨店に勤務。その間にトリマー資格を取得しその後も仕事を続け、結婚と同時に退職。子どもの通園グッズの制作を機に本格的にハンドメイドを開始。Kurumiとして作家活動をはじめた後、作品をがま口に絞り現在に至る。
  • 1973年/栃木県鹿沼市に生まれる

  • 2007年/結婚

  • 2012年/Kurumiとして活動開始

  • 2013年/BonMarche100人展に初出展

がま口作家になるまで

幼い頃から、洋裁をやっていた母がミシンを踏んでいる隣で、針と糸で何かしらを作っていました。特に専門の学校に行くわけでもなかったのですが、いつでも何かを作っていたのは変わりませんでした。働くようになってからは、パッチワークの教室に数年通い、丁寧に作り込むことの大切さを学びました。出産を機にハンドメイドからは遠のいていたのですが、息子の通園グッズを作った際、久しぶりに「何かを作る」のが楽しい!と感じ、また物作りをはじめました。
 
最初の約1年は、昔から作ってきた布小物やバッグを作っていましたが、イベントなどに参加して布小物を作られる方がたくさんいることに驚き、何か自分は「これ!」というものがないとダメだなと思いました。そこから制作していた中の「がま口」のみを作っていこうと決め、今に至ります。

仕事と暮らしと環境

小学生の息子、主人、そして年老いた犬の、三人と一匹で暮らしています。
私のショップ名『Kurumi』は、愛犬の名前「くるみ」に由来しているんです。くるみを飼う以前に違う犬を飼っていたのですが、その犬は生後まだ間もない頃に、事故で亡くなってしまいました。その後くるみを迎えた時に、「クルミ(木の実)のように硬く丈夫であってほしい、私たち家族をフワフワの毛や可愛さでくるんでほしい」と願ってくるみと名付けました。

主な制作時間は、息子が登校し家事を終わらせたあとから帰宅するまでの数時間ですね。家に制作専用の場所となるアトリエはないので、部屋の片隅のテーブル一つが私の制作場所です。
イベント出店の際は、すぐ近所に住む主人の両親が理解をしてくれ、いろいろと協力してくれるので、とても助かっています。

作品についての想い

私が最初にがま口を使ったのは、小さい頃音楽教室に通っていた時に磁石を入れるケースとしてでした。
それからずっとがま口が大好きで、自分の好きな生地でがま口のものができたら、と作ってみたのが最初です。私は、がま口をしめた時の、あの「パチンッ!」の音と感触がなんとも好きなんです。イベントの時にも、不思議とお客様も必ずパチンパチンとされるんですよ。きっと、見るとパチンとしたくなるような不思議な力ががま口にはあるんでしょうね(笑)

日本人になじみのあるがま口は、その起源はヨーロッパで、貴婦人が舞踏会に行くときのお供だったそうです。イギリスのビクトリア女王もお気に入りだったんですって。きっと、きらびやかなドレスに、キラキラするがま口を使っていたんでしょうね。そんな話を知ってから、丁寧にしっかりとした作りを心がけるとともに、かわいらしさを追求するようになりました。女性の「いつまでも可愛くありたい」という気持ちは、昔から変わっていないんじゃないかと思うんです。そんな気持ちに私のがま口が役立てたら…と、願いを込めて、1つ1つ作っています。

今後のこと

犬のくるみからもらった私のショップ名『Kurumi』は、「クルミの固い殻のように、強い心を持って続けたい。私の作るもので誰かの心をくるみたい」という想いを込めています。その気持ちを忘れず、今後も作家活動を続けていきたいと思っています。そのためには、外に働きにでるのではなく、いまの作家活動を「仕事」と言えるようにしたいですね。
 
具体的な作品としましては、今までの「可愛らしい」をテーマにしたものに加えて、今後は新たに、女性でもシンプルなものが好きな方や、男性でもお使いいただけるようながま口作品を制作したいと思っています。もっとたくさんの人に、Kurumiのがま口を手にとっていただき、パートに出るのと同様の収入を、今の制作で得られるようになったら理想的ですね。

参加マルシェ・イベントのご案内
委託先店舗

Haney Suckle
宇都宮市元今泉6-8-3
 
Ange
宇都宮市陽東7-6-29
 
がま口作家 Kurumiさん
Blod:http://ameblo.jp/ku-ru-mi963/

TANOKURAレポーターの感想
小さい頃からがま口が好きだった、というご自分の気持ちと、がま口の特性やストーリーからショップコンセプトを決めていかれた経緯は、何とも鮮やかです。今後の新しいシリーズ、どんな仕上がりになるのかがとても楽しみです。
ライター:tomoko
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