知る人ぞ知る君島建築の裏の顔、君島食堂。
どんな様子か、少しのぞいてみませんか。
あの噂、もう聞いたかしら。
昼と夜が交代するぐらいの時間、ふと気づくと現れる
あたたか色の灯りがぽぉーっと灯る、一軒家。
誘われて中に入れば、美味しそうな匂いとともに
目にも鮮やかなワンプレートが用意されるそうよ。
そのご飯をいただくと、夢がかなうって噂があるの。
そこでご飯を食べたって人のお話、聞きたいでしょ?
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つまみ細工花ちりめんさんの夢
つまみ細工は、江戸時代から作られている、伝統工芸品。
伝統工芸と聞くと、材料が手に入りにくかったり作るのが難しかったりして
始めるのは大変そう…そんなイメージ、ありませんか?
確かに伝統工芸には、そういうものもたくさんあります。
でも、つまみ細工はそういう意味で、とても自由。
昔ながらの素材とやり方で伝統を守って作っている方もいれば、
今だからこそ手に入る新しい素材や道具を駆使して、楽しむ人もたくさんいます。
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『つまみ細工花ちりめん』のつまみ細工作家、間彦由江さん。
つまみ細工と出逢い、時間を忘れて没頭するものができました。
介護施設に通う方の帽子につまみ細工を付けてあげたところ
施設に通う多くの方がその細工に興味を持ってくれた、という出来事があり
つまみ細工は人の心をつかむ力がある、と確信を持ったそう。
一年間通して一つの作品を作るつまみ細工教室を始めたい、という由江さん。
その夢には続きがあります。
お子さんが三歳になる年の一年間で、三歳の七五三で飾るかんざしを作り
お子さんが七歳になる年の一年間で、七歳の七五三で飾るかんざしを作り…
そうして少しずつ作りためた作品を集めて、二十歳の成人式を彩るかんざしにするのです。
大きなかんざしを作るのは、時間も根気も必要です。
でもこの方法ならきっと誰もが、二十歳の門出に手作りのかんざしを作ってあげられる。
想いを込めて作ったもので喜んでもらえたら、こんなに素敵なことはありません。
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花工房ひまわり畑さんの夢
苔玉は、盆栽の『根洗い』に端を発しているそう。
『根洗い』とは、根を隙間なく張らせて鉢なしでも崩れないようにする手法だそうですが、
苔を巻き付けることで簡易的に鉢要らずの状態にしたものが、苔玉の始まり。
平安時代に中国から入ってきた盆栽の歴史はとても長いものだけど、
苔玉そのものの歴史はまだ始まったばかりとのこと。
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『花工房ひまわり畑』の苔玉作家、板橋由理さん。
「苔ってすごくたくさんの種類があって、見た目も手触りもそれぞれ違うんです」
と、苔について話す姿は本当に楽しそうです。
ハイゴケは、カーペットのような状態で育つ苔。
ヤマゴケは、ふさふさ毛が生えたような状態で育つ苔。
初心者は、その2種類の苔を使ったシンプルな苔玉から始めていって
寄せ植えや吊るしなど、少しずつレベルを上げた作品を作っていくそう。
好きな植物を選び、
飾りたい場所を想って
苔玉を形作る。
作った苔玉を飾り、それを愛でるのはもちろんですが
植物に、苔にじかに触ることがなによりの癒しになる、と由理さんは言います。
「苔に触れているだけで、不思議と気持ちが落ち着いてくるんですよ」
慌ただしい日々の生活の中で、疲れてしまった心をぜひ
苔玉づくりで癒してもらいたい、それが由理さんの夢。
子どもから大人まで楽しめる苔玉づくり、ぜひ沢山の方に体験してほしいですね。
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そんな噂があるなんて、知らなかった!
お二人の夢のお話、とても素敵。
これからその夢が一つ一つ、形になっていくのでしょうね。
夢を叶える魔法のごはん、
次はどんな人が食べるのかしら。
日々がんばっていたらわたしもその
あたたか色の灯りを目にすることができるかしら。
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最新号のTANOKURA23号p22.23でも、こちらの記事をご紹介しています。
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