Uchimise

House-W-C(栃木の工務店 / 君島建築)

こんにちは。TANOKURA編集部です。

家づくりをしようと思ったとき、ほかの方がどんなふうに作っているのか気になりませんか?これからおうちを建てる方も、いつかはおうちが欲しいと憧れがある方も、一緒に家づくりのひみつをのぞいてみましょう!

今回ご紹介するのは、君島建築で建て宇都宮市にあるWさんちです。

TANOKURA編集部がおすすめする栃木の工務店住まい手の声をもとにおすすめしたい工務店をご紹介します。こちらのページから資料請求をして掲載工務店とご成約いただくと、10万円相当のギフトをプレゼント!...

おうちデータ

好きなインテリアは?

西洋アンティークのものは好きですね。いいものは何年経ってもいいですし、古いものを使っていくというのが好きなんです。

好きな雑貨屋さん・家具屋さん:eel・SETT FURNITURE
参考にした雑誌:洋書・Pinterestで海外のインテリアを参考に

家を持つきっかけは?

住んでいたアパートは手狭になってきていたのですが、一から土地を探して真新しい家を建てるつもりはなかったんです。賃貸で引っ越そうかと思っていたのですが、魅力を感じて条件があう物件がなく…そんなときに、そういえば親戚の持ち物で使っていない倉庫があったよね、と思い出し、改造して人が住めるものなら面白いかもしれないと考え始めたのがきっかけです。

購入を考え始めたのは誰?

夫も倉庫を改造して住むという案に、それならば!という感じでしたので、夫婦2人で…という感じですね。

なぜ、その施工会社に決めたのか?

倉庫のスケルトン(構造体)を使って住居にしたい旨と予算を、Uchimiseのサイトからいくつかの工務店さんに伝えてみたところ、お願いした工務店さんが手を挙げてくださいました。打ち合わせをしてみると…こんなに面倒な依頼を最後まで嫌な顔一つせず、親身になって相談に乗ってくださったんです。うるさいお客だったと思うのですが、難しいことは難しいとはっきり言ってくださったので信頼でき、お願いしました。

お気に入りの場所は?

場所というか気に入っているところは、明るいところと、冬寒くないところですね。前のアパートが暗かったり寒かったりしたので余計にそう感じますね。寒さに関しては、工務店の方がいつも断熱、断熱と言っていて…建てているときはぴんとこなくて、断熱にはそんなにこだわらなくても金額が下がる方がいいとも思いましたが、冬を越してその暖かさを実感しました。

もう1度家を建てるならどんな家にしますか?

海が好きなので…海の近くに、開けっ放しで海からの風が入ってくるような家がいいかなぁ。私も夫も狭苦しい感じが好きではないので、空調の問題がクリアできれば壁は可能な限りなくていい、という考え。どーんと外ともつながるような大きな空間の家がいいですね。

これから家を建てる人へのメッセージは?

設計士さんや施工会社さんの言うことは聞いたことがいい、ということですかね。施主がこだわりを持つのも大切ですが、餅は餅屋、プロの言うことはやっぱり正しいと思います。プロの意見を聞いて、一度自分の中に落とし込んでからどうするか考える、というスタンスは大切だと感じました。

正解ポイント

断熱性能の高いものにして正解!

当初の予算の見積もりが甘く、できるだけコストを下げたい気持ちがありました。断熱というのは目に見えないところなので、そこにお金はかけないでおこうかと頭をよぎったのですが、工務店の方が断熱だけは性能を落としてはいけないと何度もおっしゃって…冬を越してみて、おっしゃっていたことの意味がよく分かりました。暖かい家であるというのはこの家で最も気に入っていることのひとつです。

元倉庫を改造したおうちと伺って、ひんやりしたイメージを持って訪問したのですが、天井が高く広い空間にも関わらず、太陽が差してぽかぽかと暖かい空間!断熱のグレードを下げていたら…この快適さはなかったのでしょうね。

北側の薄暗い寝室はお気に入り!

北側にある寝室は、防犯の兼ね合いから、窓は高い位置に細いものを入れただけ。でも逆にその薄暗い感じがとても気に入っています。床もカーペット敷きにし、落ち着いたグレーのものを選んだので、この薄暗い感じに窓から光が挿す様子が何とも言えずいい感じなんですよね。

薄暗い、と言うとどちらかというとネガティブな言葉に聞こえますが、このお部屋を見るとその魅力に気づかされます。家全体がすべて明るいのではなく、薄暗い落ち着く空間があるというのも大切かもしれませんね。

水廻りの設備は日本製で

デザイン的な面は、洋書を参考にしてそのイメージでこだわりましたが、お風呂やトイレ、水栓などは、メンテナンスを考えて日本製のものにしました。洗面台のシンクも実験などで使われる一般的なものなんですよ。

ブラックのヘキサゴンタイルとの組み合わせで見ると、便器も海外のもののよう!メンテナンスしやすい日本製の製品も、タイルなどの床や壁面の素材によって全く違うように見えるので驚きでした。

床の塗装でイメージが変わる

我が家の床は無垢のパイン材なのですが、その塗装は普通のお宅では使わないような、ちょっと古びた感じに見える色を選んだんです。塗料を3色取り寄せて試し塗りして決めました。くすんだ感じがする色合いがとても気に入っています。

確かに…なかなか新築の家では選ばない色ですね。2階の床の色と比べると随分印象が違って驚きました。使いこまれたアンティークの家具がより引き立つような床の色の選定に脱帽です。

失敗ポイント

キッチンの高さ、高すぎた…

主人が料理人、私も背は高い方なので、工務店の方からは、高いと思いますよ、と止められたのですがキッチンの高さを90㎝にしたんです。そうしたら…やっぱり使ってみるとちょっと高い。コンロが置き型だったのでさらに高くなってしまって。プロの言うことは聞くべきだったと後悔しています。横に一直線のかたちも、調理台は広くていいのですが、コンロからシンクまでがちょっと遠いんですよね…。

高さの感覚は、メジャーで測るのと実際に料理をするのとでは、やはり違ってくるのですね。たっぷりスペースを取った横に長いキッチンも、広いがゆえのお悩みもあるのですね。「ちょうどよい」って難しい!

天井が高いから音が響いてしまう

引っ越すまで考えもしなかったのですが、天井がとても高いので、テレビの音が響いてしまい、よく聞こえないんです。それで聞こえるまで音量を上げると、夜だと壁向こうの寝室まで音が聞こえてしまうんです。

音が響いてしまう…たしかにそこまで事前に気づくのは至難の業ですね。反響しやすい素材、というのもあるのでしょうか?天井の高い家を計画される方は、頭の片隅に置いておかれるとよさそうですね。

子どもがいる生活を想定していなかった…

プラン中はまだ夫と2人。すべてが決まった頃にこの子を授かったので小さい子がいる生活を想定していなかったんです。例えば、リビング内に土間があると落ちて危ないからベビーゲートをしなきゃ、とか、アイランドキッチンだったら子どもの様子を見ながら料理ができたのに、とか、2階に大きなテレビを置いてシアタールームにしてもそんなの見る余裕がない、とか…そんなことは想像していませんでした。

小さい子どものいる暮らしは、振り返ればほんの少しの期間なのでしょうが、密度の濃い時間ですよね。プランのときにライフステージに合わせた家の使い方を考えておくと色々なことが「想定内」で納まるのかもしれませんね。

コストダウンポイント

造作収納は最低限に

キッチン本体はステンレスの一枚板で造作してもらいましたが、キッチン収納は手持ちの家具で対応し、全く作ってもらいませんでした。味わい深い家具が好きということもあり、食器棚はケビント(医療用棚)を使ってるんですよ。

キッチン本体に収納もたっぷりついているものが主流な中、キッチンはキッチン、収納は収納、と分けて考えられているところがとても新鮮でした。そしてお持ちの収納家具が何とも素敵なこと!絵になるキッチンでした。

クロスは貼らずにペイントで

クロスの雰囲気があまり好きではなかったので、下地にペンキを塗ってもらいました。割れますよ、と言われたのですが、私はそういうのは味だと思っていて全く気にならなかったので、結果コストダウンできてラッキーでした。

壁のペンキにヒビや割れが入っている感じが、使いこまれた家具たちと相まって絵になる風景になっているから不思議です。好きなテイストに仕上がり、コストダウンにも成功した事例ですね。

こだわりポイント

倉庫を改造して住居に!

我が家は、親戚の持ち物であった使われていない倉庫を改造したものです。屋根と柱と基礎の一部しか元々のものは残さない大がかりな改造だったので、工務店さんには一から建てた方が安い、と言われたのですが…。真っ新なものが好きではないというのもあって、「あるものを活かす」ということにこだわりたかったんです。倉庫を改造して住居に、というのは日本にはあまり事例がなく、外国の例を参考にしました。

大幅な改造を加えたとは言え、輪郭は倉庫。天井の高い、しーんとした空気は、倉庫のあの魅力的な空間のものでした。コストや労力がかかっても、あるものを活かした住まいにする、というご夫妻のスタンスはとても素敵だと感じました。

インテリアは洋書を参考に

家の大まかな構想ができてから実際に建てるまで、色々問題があり2年ほど期間を要しました。その間に本当に大量の洋書や画像を見てインテリアのイメージを固めていきました。選ぶ素材や色の合わせ方、例えばタイルならばその目地をどうするかというところで印象は全く違ってきます。建具は写真を見せてデザインを伝え、取っ手は輸入品を使って建具屋さんに作ってもらいました。言うのは簡単だけど、形にするのは大変だったと思います。

「どうしてこのおうちは外国っぽい感じがするのか」と恥を忍んで聞いてみると、「例えば建具の黒にゴールドの組み合わせじゃないですか?」と奥様が教えてくださいました。家中すべてのものが調和したインテリアは、まさに洋書の世界でした。

使いたい照明から空間をデザイン

アンティークショップをいくつか見るうちに、使いたい照明が決まり、その照明をつける位置が決まり、テーブルの配置が決まった、という順でした。大きなテーブルを使いたくて2m20㎝あるものを入れたのですが、自然とこの場所になりましたね。仕事の道具を広げたままでも、別の一角で食事ができるので、大きなテーブルは重宝しています。

テーブルの場所を決めてから照明の位置を決めるという通常の順では、天井が全く美しくない場合がある、と聞いたことがありますが、この順だと全体のバランスが美しいはずですね。細切れの空間だとこうはいきません。

玄関の親子ドアはお気に入り

玄関に観音開きのドアを使いたかったんです。我が家は、家具の配置を考えていくと、リビングにひとつも掃き出し窓がなくなったので、外から大きなものを搬入できるのは、玄関だけなんですよね。それもあって、大きな玄関ドアにしたんです。

リビングの南面には掃き出し窓、という常識にとらわれず、家具の配置から窓を決めていったというのも素晴らしいですね!窓の取り方も、倉庫の雰囲気が色濃く残っていると感じる要因だったのですね。

ライターズボイス

ご夫妻そろってクリエイティヴなお仕事をされていることもあり、うっとりするほど洗練されたインテリアのおうちでした。「あるものを活かしたい」「いいものは時間がたってもいい」そのぶれないスタンスが、倉庫を住居に改造するというところから、インテリアの選び方まで一貫していらっしゃるご夫妻でした。そして何度も「こんなに面倒な依頼を受けてくださって…」と工務店さん、建築士さんに感謝なさる言葉が印象的な取材でした。

栃木の工務店 / 君島建築

君島建築有限会社
栃木県宇都宮市越戸1-9-33
028-661-0502
https://kimi-ken.com/

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