TANOKURA編集部へ、マンションのリノベーション依頼が届きました。依頼内容は、「築年数をカバーできる、住みたくなるリノベ」。
DIYのプロである夏目あやこさんと一緒に、私たち自身が本当に暮らしたいと思えるお部屋作りがスタート!女性ならではの、使いやすさ・古さを活かした色合い、遊び心のあるお部屋が完成しました。
お部屋作りのなかで大切なポイントやコツを、夏目あやこさんに教えていただきました。全4回の連載でお届けします。
皆さんの暮らしが、DIYによってより楽しくなりますように!
こんにちは、夏目あやこです。
古いおうちについての印象、みなさんはどんなものですか?汚い、暗い、住みにくそう…古くなったら、建て替える、つくりかえる、取り換える。これまでは新しいものが良いとされてきた住宅ですが、近年、古いからこその良さもある、そう見直されています。
今回リノベーションをさせていただいたアパートは、鉄筋コンクリートのしっかりした建物。3DKの間取りは、住まい手によって使い方を選べて便利です。構造や設備など必要な部分はプロに任せて、DIYでは暮らしやすく、使いやすくするためのリノベーションをTANOKURA編集部のみなさんと頑張りました!
1回目は、壁DIY編。黄ばんでしまった壁を一新するだけで、見違えるようにきれいになります。古いおうちを楽しむためのDIYリノベーション、ご紹介させてくださいね。
壁塗りは養生8割!
大きな面積をきれいに仕上げたいときに、おすすめなのは塗装。塗装は初心者でもやりやすいDIYです。
でも、ペンキを塗る前に大事なこと。それは、養生と呼ばれる塗らないところのカバー作業です。この養生ができているかどうかで、作業時間も仕上がりもかなり違うものになってきます。ペンキが思わぬところに飛んでしまい汚してしまった…ということがないように、床や枠などの塗る場所以外もきっちり養生します。ビニールがくっついたマスキングテープ(マスカー)を使うと、空間ごとカバーできてとても便利です。カバーしすぎて出入口を作り忘れた!出られない~なんてことがないように気を付けて。
いよいよ塗装!場所に合わせて
しっかりマスキングができたら、いよいよ塗装!今回選んだのは、業務用の大きな水性ペンキ。しっかり二度塗りするため大きな缶を購入しました。
塗りはじめは、端から。狭い場所、端や隅は刷毛でしっかり縁取りします。そのあと、ローラーを上下に動かして、塗っていきます。こうすることで、塗りむらも防げます。塗り絵と同じ要領ですね。
黄ばんだ色から白に塗り替えただけで、空間が見違えるように明るくなります!
アクセントカラーも大事!
キッチンの一面はシックなベージュに仕上げました。今回、収納の扉はそのまま生かして使うため、色のコントラストが欲しかったのです。
ほかの壁はすべて白で仕上げていますので、明るい空間のなかのひきしめ役となっています。
壁紙で楽しい空間作り
ここは見せ場!という場所には、ぜひ壁紙を使って楽しんでもらいたいです。ペンキ塗りに比べると、少し難易度は高いですが、大丈夫!今は壁紙のノリがついた状態で発送してもらえます。
寸法に合わせて切って、貼るだけ。のりはしばらく乾かないので、リカバリーもできます。2人以上いると、押さえててもらえるのでとてもやりやすいです。
今回、リビングの押し入れだった場所にどーんと個性的なふくろうの壁紙を貼りました。すごくかわいい!
▲今回使ったふくろうの壁紙
【のり付き壁紙】サンゲツ ファイン [Joyful]
FE6402 2019-2021__fe6402
ふすまにもクロスを貼っちゃいます!
ふすまにも壁紙が貼れるって知っていましたか?今回は空間を仕切っているふすまにも、壁紙を貼っちゃいました。良くある黒い縁は、ていねいにやすりをかけたあとペンキで3度塗り。そのあと壁紙を両面に貼りました!
ふすま紙でもよいのですが、おしゃれな柄やシンプルなものが見つかりにくいので、変えたいなと思っていたら壁紙を使うのもおすすめですよ!
空間のなかで大きな面積を占める壁。壁が汚れてくると、どうしても古い印象になりがちになります。
ペイントは、そんなときに一番手軽にやっていただけるDIY。壁紙貼りだって、やってみれば思ったより難しくないはず!今は道具も材料もずいぶん手に入りやすくなり、かわいい色や柄もいっぱい。古いから…とあきらめず、ぜひ試してみてくださいね。
次回は床や収納作りのお話をしたいと思います。
夏目あやこさん Profile
不動産会社、設計事務所勤務を経て結婚を機に茨城に移住。
一級建築士・宅地建物取引主任者
整理収納アドバイザー1級
現在は、夫・三姉妹と5人暮らし。
「暮らす」を「愉しむ」ことをモットーに、暮らしにまつわるアイディアを発信。
著書「なつめさんちの新しいけどなつかしいアンティークな部屋つくり」