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手づくり作家インタビュー

手づくり作家インタビュー
2018.03.05UP!

空気感を大切に
日々の暮らしに寄り添う器を
一生かけて追い求める

OLとして働いている最中に陶芸に出会い、茨城県の笠間焼きで陶芸を学び独立、職とするように。現在は春日部市の自宅兼工房で制作し、工房裏手のギャラリーにて毎月末販売する他個展、イベント参加、カフェとのコラボ、ネット販売などの活動も。14年前に“手作りの器で暮らすこと”を身近に感じて欲しくて陶芸教室を始める。DIY好きな夫、16歳の娘、14歳の息子、7歳のブルドッグと暮らす。

  • 1999年/茨城県笠間焼窯元 桧佐陶工房に入る

  • 2001年/茨城県窯業指導所修了

  • 2002年/埼玉県春日部市に築窯

  • 2004年/陶芸教室開講

  • 2013年/工房裏手にDIYギャラリーOPEN

作家になるまで

昔から、想像して何かを作ることが好きでした。
学生の時は音楽にハマり、友達とオリジナルの曲を作ってライブハウスで演奏したり、コンテストに出場したりしていました(恥)。OLになるとインテリアに興味を持ち、友達と独学で家具を作り始めました。ペイントしてヤスリをかけ古くみせたり、アンティークな取手や金具を探して装飾したり…。そんな頃に、旅行先で笠間焼に出会い、自分の作った家具と一緒に器もコーディネートしたくなりました。そして、もともと作ることが好きでしたので、陶器も自分で作ろう!と思いたったのです。陶芸教室に通いましたがもっともっといろいろ知りたくなり、陶芸家を目指したい気持ちが強くなってOLを辞める決心をしました。勇気が要りましたが、陶芸家になりたい気持ちが強くてこの先のワクワクの方が強かったですね。

以前から訪ねていた笠間に行き、大きな窯元の桧佐陶工房さんに直接お願いをし、陶工として雇っていただけることになりました。その後窯業指導所に入れてもらって道具作りから粘土練り、ロクロ、釉薬作り、窯たきまでひととおり教えていただきました。窯元や窯業所での生活はすごく濃厚で貴重で大切な経験、お世話になった方々には本当に感謝しています。窯業所を卒業後、結婚して埼玉県春日部市に引っ越し、自宅の和室をDIYして工房にし、制作をスタートすることになりました。

作品についての想い

使っていただく方の日々の暮らしに寄り添える器、言い換えると、飲みやすい・持ちやすい・使いやすい・買いやすい…色々な面でストレスフリーな器を作りたいと思っています。そのために出来るだけ軽くなるよう、器は全て電動ロクロで薄くなるように成形しています。空気感を大切にしたしっくりとなじむ器づくり、というのも私が目指しているところです。器の持っている空気のようなものは目に見えないので、自分の感覚を頼りに制作しています。

現在の釉薬の色は白、黒、青、クリーム、赤の5色で、色ごとにイメージがあります。白は柔らかく優しく女性らしい器。黒は凛としてカッコよく強い器。青は鉄のように硬くて錆を感じる器。クリームは砂から掘り出されたような年月を感じる器。赤は漆のようで全体のひきしめ色になるような器。全てが1つになり新しい空気感が表現できれば、と思っています。

今後のこと

作家活動と陶芸教室、それぞれの活動を充実させていきたいと思っています。母業を優先する時間はもう少し続きますが…陶芸は逃げないので、マイペースで追及していきたいと思います。追い求めて、掴んだと思ったらまた逃げていく…そんな感じで陶芸を一生楽しめる感覚を皆さんと共有できたらシアワセです。

オトナ展感想

オトナ展に選ばれたときの感想
①とっても光栄でした。“オトナ”の響きが今の私にピッタリ(勝手にスイマセン)と思い制作のテンションがあがりました。 
 
②そこからの努力
オトナ展のイメージを壊さないように制作しました。
アナログの宣伝も必要かと思いDMはコピーして配りました。 
 
③オトナ展出展で得たものは何か
美しい空間での新しい器の見せ方の勉強、ご一緒できた素晴らしい作家さんからの刺激、新しいお客様との繋がり、これからの制作のパワー・・・
それらを得ることができました。良い経験をさせていただきました。ありがとうございました。

高橋かおりさん

TANOKURAレポーターの感想

高橋さんは、ご自分の作品を語る中で「空気感」という言葉を何度も使われていました。使いやすさを追求する傍らで、目では見えないし言葉でも言い表すのが難しいオーラのようなものを大切にする…一見相反するようですが、それが共存しえるのが、陶芸というジャンルの魅力なのでしょうね。高橋さんの器が置かれた空間は、なぜだか時の流れがゆったりとしているように感じます。それは高橋さん自身の陶芸への関わり方が滲み出ているからなのかもしれません。

tomoko